新名神高速道路は亀山から滋賀の草津へ伸びるルート。新しい陸路で、目新しいイメージだが、ここ、旧東海道そのものに近いのですよね。
近くを走る国道1号線沿いもそうですが、思いがけずいい街並みや、神社仏閣、史跡などがあって、ここを通ると時間があれば立ち寄っては先人たちの偉業や功績に感心させられ、積み上げられたものの浅からぬ歴史文化にはその度に驚かされています。
甲賀忍者の里、信楽焼の故郷などもあり、それらは極彩色の忍者に、代表としては突き抜け過ぎているたぬきなどとともにいささか現代人から曲解されてはいまいかと先人たちにお伺いを立てたくなるのも、このエリアを通る時の常でありますが。
そんなところにある甲南パーキングエリアはそれこそ忍者推し。正直酷いと言わざるを得ない(笑)。
外からもわかるが、決闘してますな。わたしの食事したテーブルの頭上での出来事であります。
ここも、なかなか営業時間内に通ることは稀というので、立ち寄って何か晩御飯を食べることにしました。
券売機も空いてる欄はタヌキの忍者が。人間のやりたい放題ながら、可愛らしいワンポイントではあります。この日、目に留まったのは「滋賀のスタミナ丼」。写真によると茄子が入っている模様。なんとなく食べたくなったこともあり、これにしました。あと、前にどこか、あれは吹田の上りとかだったでしょうか、キャベツの大盛りサラダ、関西の人は好きなのでしょうか。わたしも好きなのでこれも一緒にいただくことに。
ほほう!なるほど。この内容がどんなものかの説明はあまり書いていなかったようですが、要は“チキン南蛮”ね!しかもこのご飯、黒米だ。色々調べてみると、この黒米は黒影米、茄子は杉谷ナスビというどちらも地元甲南町のものなのだとか。このメニューも地元の高校生が考案したもので、どうも期間限定のメニューのようです(編集部追記:こちらのパーキングでは、定期的に地元の高校とのコラボメニューが期間限定で販売されているそうです)。
タルタルときたらピクルスが入っていますが、日本の漬物は本家のピクルス以上に相性良いのではないか?と思わせるほどのマッチングだし、そうなると、元々の起こりは洋食への憧れのような要素も見え隠れするチキン南蛮も、むしろ和食としての存在感が強まる一品に。
黒米はポリフェノールも豊富。ポリフェノール自体がある種の苦味というか、単なる米の、デンプン由来の麦芽糖の甘みのみならぬクセを帯びて、これもなかなか相性が良く!美味しくいただくことができました。
滋賀県は海無し県ですが、琵琶湖と福井が近いことで案外魚介系が淡水魚も含めて豊富。加えて山のものや米も美味しい県なので、口にするものがとにかく美味しい印象。気になるものはぜひ食べておきたいのです。
関西エリアの高速道路で時々遭遇する謎のシンプル大胆サラダの大盛りキャベツで食後もスッキリ。個人的には「忍」というより「大いに認!」ぜひまた食べてみたい一杯でした。
(Text & photos by Kentaro Nakagomi)