140217-RAYS1-4.jpg「この先、10年誰にも負けない強いホイール」としてRAYSが投入するのが、「VOLK RACING ZE40」。この最新作に込めた思いを、RAYSの山口浩司氏が語った。 ■コンセプトは「打倒TE37!」

VOLK RACINGの最新作として、RAYSが2014年に投入するスポーツホイールが「ZE40」だ。そのコンセプトは?

ズバリ、打倒TE37です。登場から18年経ったいまでも、スポーツホイールの王座に君臨しているTE37。製品自体も進化し続け、スポーツユーザーの絶大な支持を集めています。これを超えるために生み出したのがZE40なのです。

自社が誇るロングセラーを、あえて超えようとする狙いは? 

近年、Sタイヤに匹敵するグリップが市販のスポーツタイヤでも得られるようになりました。そのぶん、ホイールへの負担も増しています。これに対応するために、この先10年誰にも負けない、ボルクレーシング史上最強の剛性を誇る1本をつくろうと思いました。しかも、TE37とほぼ同等の重量を達成することでTE37を超える存在にしたいと考えたのです。

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スタイリッシュなデザインでありながら、ボルクレーシング史上最強の剛性を誇るというZE40。そのこだわりは、たとえばセンター部に見てとれるという。 

センターの開口部は小さければ小さいほど剛性には有利です。だから、できるかぎりこの円を小さくしたかった。そこで考えたのが、この開口部をオーバーハングさせること。いままでのホイールはこの部分が"お椀型"でしたが、製造工程を増やすことでこの形状を実現しています。

これはデザインの特徴にもなっており、ここに一瞬でも陰が入ることによって深く見えるのです。ただ、それだけではナットレンチが当たってしまうので、必要な部分をあとから削っています。

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F1などレーシングホイールからのフィードバックもZE40の設計に生かされている。

ZE40では、金型の合わせ部分を段ではなく曲面にしました。鍛造ホイールではこのようなことはしないんです。しかし、あえて挑戦する理由がありました。現在のF1用ホイールは、この部分が曲面なんですよ。応力は角張ったところに集中しやすいので、丸くすることで応力を分散しているんです。また、リムのインナー側を分厚くして剛性アップを図っています。

にもかかわらず、軽量化を実現できたのは、RAYSが長年にわたり培ってきたノウハウの賜物である。

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■輸入スポーツに似合うデザイン

スポーツホイールというと、機能性重視のあまり、デザインがなおざりというイメージが強い。この部分にもZE40は切り込んでいる。

いままでのボルクレーシングは、日本のスポーツカーオーナーにとっては定番のブランドでした。しかし、輸入車オーナーからみると、たとえばゴルフ7とTE37の組み合わせではアグレッシブすぎると感じるでしょう。そこで、このZE40は、世界のスポーツするクルマたちにつけてほしいと考えてデザインしました。

ターゲットは18〜19を履く輸入車のスポーツユーザーです。佇まいがシンプルなので、ゴルフ7の標準モデルでもしっくり決まるはずです。

機能性とデザインを両立させたスポーツホイールがZE40というわけだ。

デザインがされているレースホイールは、いままでありそうでありませんでした。しかし、F1やGT3を見ると機能と美しさが見事に両立されています。

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ホイールのカラーにもこだわりがある。

"マットブルーガンメタリック"は、ZE40の"持ち色"として設定しました。RAYSでは、TEやCEといった人気スポーツホイールがありますので、新たに市場に参入する商品には強烈なインパクトが必要でした。

一方、ブロンズは、RAYSにとってはスポーツホイールにのみ許される特別なカラー。実際、設定しているのはTE、CE、REだけ。ホイールに塗装を施すと、18インチクラスで塗料が80〜120gくらい乗るんです。その重量増すら避けたいと思い、アルマイト仕上げを選んだのがこのブロンズ。このザラザラ感をデザイン金型鍛造で実現するのは至難の業なのです。

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強さと美しさを徹底的に追求したZE40。フォルクスワーゲン、アウディオーナーにとっては、注目の新製品といえるだろう。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hiroyuki Oshima)

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