コンチネンタルのハイパフォーマンスカー向けスポーツタイヤ「SportContact6」を、モータージャーナリストの桂 伸一さんがドイツでチェックした。
ちなみにCSC5Pを上回ると話を聞くだけでも、もうそれはスリックタイヤのグリップ力か、と想像を巡らせながら、ドイツ・バーダーボルンにある"ミニ・ニュルブルクリンク"といわれる4.2kmのサーキット「ビルスターブルグ」に到着した。
最高速度は350km/hの超高速走行に耐えることが承認されているタイヤ。その他の性能の進化ぶりはCSC5Pを100として、レーダーチャートで比較すると、ステアリングの正確性114%、ドライハンドリング111%、ハイスピード性110%、耐摩耗性107%、静粛性107%、ハンドリング限界性能104%、ウエット性能102%と、すべての項目でSC6が上回る。
この違いは試乗してすぐに感じられる。まずは肩ならし。S字コーナーが連続するハンドリングコースで、4WDという安心感もあって、コースレイアウトをロクに覚えていないまま、かなりハイペースの先導車に続く。
まさにスリックタイヤの特性に近い感触を得ながら旋回に入ると、トレッド外側の大きなショルダーブロックが強力な横Gを立ち上げグッと踏ん張ったまま強引に曲げる。
操縦性を比較できるいいチャンスでもあった。やはりダントツはFWDをつくり続けてきたフォルクスワーゲンだ。ゴルフRは4WDだが、まずは前輪でどうやってコーナリング姿勢をつくるか、をチェック。
サウンドの意味では、基本的に同じシャシーを使いながら、5気筒ターボを搭載して、さらにワンランク上の上質感を持つスーパーホットハッチのAudi RS 3は、個人的に別格の存在。操縦性でいうと軽快にヒラヒラと舞う感覚のゴルフRに対して、RS 3はまさに4輪で路面を捉えて離さない。そこへ5気筒サウンドと下から沸き上がるターボトルクでSC6のグリップ力を一滴残らず絞り出し使う、ウルトラ操縦安定性はお見事!! とひれ伏したくなるほどだ。
この2台とケイマンGTSのミドシップ2WDに乗ればSC6の凄さはもう十二分に理解できた。"運良く"ドライからウエットに急変した路面を高速スラロームしながら応答性、荷重変化による接地変化、安定性を確認しながら高速セクションを突き進む。
目から鱗なのはドライだけではない、ウエットグリップの高さである。ミクロの世界で路面の微細な凹凸に入り込みグリップするコンパウンドの特性と、排水性に優れたトレッドパターンにより、ハイドロプレーンが十分に起こりうる水深を110km/hで「どこでも走れ」と快走する先導車に難なく続く。
その実力は想像以上!?
19インチ!! その大径なサイズからして新しいコンチネンタルSC6(スポーツコンタクト6=略称がSC になる)は、スーパースポーツのパフォーマンスを持つモデルへの装着を念頭に開発されたことがわかる。それまでのCSC5(コンチ・スポーツコンタクト5)の後継がSC6か、と思いきや、ドイツではU-UHP(ウルトラ・ウルトラ・ハイパフォーマンス)と呼ぶクラスに入るタイヤ、CSC5Pの性能までカバーするのがSC6である。
ちなみにCSC5Pを上回ると話を聞くだけでも、もうそれはスリックタイヤのグリップ力か、と想像を巡らせながら、ドイツ・バーダーボルンにある"ミニ・ニュルブルクリンク"といわれる4.2kmのサーキット「ビルスターブルグ」に到着した。
待っていたのはゴルフRとAudi RS 3に、メルセデスAMG A45と、ここまでが4WDモデル。2WDはポルシェ・ケイマンGTSが用意された。
最高速度は350km/hの超高速走行に耐えることが承認されているタイヤ。その他の性能の進化ぶりはCSC5Pを100として、レーダーチャートで比較すると、ステアリングの正確性114%、ドライハンドリング111%、ハイスピード性110%、耐摩耗性107%、静粛性107%、ハンドリング限界性能104%、ウエット性能102%と、すべての項目でSC6が上回る。
この違いは試乗してすぐに感じられる。まずは肩ならし。S字コーナーが連続するハンドリングコースで、4WDという安心感もあって、コースレイアウトをロクに覚えていないまま、かなりハイペースの先導車に続く。
驚きは、知らない道を行き当たりバッタリでステア操作しながら進んでいるにも関わらず、路面を吸い付くように捉え安定走行するため、不安がないこと。もちろんテスト車の素性の良さにも左右されるが、コーナーで無理をしても、つまりオーバースピードで進入して前輪に舵角を付け無理に曲げようとしてもタイヤはスキール音、悲鳴すらあげず、操作したことでジワっと舵が効き始めたと思うとスルッと向きを変える。
まさにスリックタイヤの特性に近い感触を得ながら旋回に入ると、トレッド外側の大きなショルダーブロックが強力な横Gを立ち上げグッと踏ん張ったまま強引に曲げる。
コースを習得するにしたがいペースは上がる。前車との距離を離しておき、コーナーへはすべてオーバースピードで飛び込み、ステアリングを急転舵で、前輪をこじる! そんな"間違った失敗操作"を行ってもブロックの倒れ込みや変形もない(見えたのか!?)ことはステアリングからのインフォメーションで手応えとしてわかる。
操縦性を比較できるいいチャンスでもあった。やはりダントツはFWDをつくり続けてきたフォルクスワーゲンだ。ゴルフRは4WDだが、まずは前輪でどうやってコーナリング姿勢をつくるか、をチェック。
軽いノーズはステア操作で自在に、どうにでも曲げられる感覚。そこに外側1輪でも安定性が保てるFWDの後輪だ。それが駆動力まで持っているのだから、ドライ路面でSC6との組み合わせは、もうコントロールを失う気がしない(あくまでもサーキットでの話しなので誤解なきように。ESPの類をカットOFFして限界を越えた場合、無理なモノは無理なので要注意)。4気筒離れしたサウンドも魅力のゴルフRである。
サウンドの意味では、基本的に同じシャシーを使いながら、5気筒ターボを搭載して、さらにワンランク上の上質感を持つスーパーホットハッチのAudi RS 3は、個人的に別格の存在。操縦性でいうと軽快にヒラヒラと舞う感覚のゴルフRに対して、RS 3はまさに4輪で路面を捉えて離さない。そこへ5気筒サウンドと下から沸き上がるターボトルクでSC6のグリップ力を一滴残らず絞り出し使う、ウルトラ操縦安定性はお見事!! とひれ伏したくなるほどだ。
この2台とケイマンGTSのミドシップ2WDに乗ればSC6の凄さはもう十二分に理解できた。"運良く"ドライからウエットに急変した路面を高速スラロームしながら応答性、荷重変化による接地変化、安定性を確認しながら高速セクションを突き進む。
目から鱗なのはドライだけではない、ウエットグリップの高さである。ミクロの世界で路面の微細な凹凸に入り込みグリップするコンパウンドの特性と、排水性に優れたトレッドパターンにより、ハイドロプレーンが十分に起こりうる水深を110km/hで「どこでも走れ」と快走する先導車に難なく続く。
この驚きのグリップ力と操縦性を体感できるのは......。SC6のタイヤ単体よりもOE(オリジナル・エクイップメント)でメーカー純正装着される新型Audi R8か、新型ホンダ・シビックタイプRか!?
19〜23インチまで全41サイズが揃うSC6。OE装着は先の2モデルのほか、各メーカー11モデル23サイズを開発中だ。
ドイツメーカーが純正採用する......その意味の深さをドイツ車に乗る読者諸兄はおわかりいただけると思う。
(Text by Shinichi Katsura)