フルモデルチェンジした「ポロGTI」を試乗。MQBと新世代2.0 TSIエンジンを手に入れた新型の走りは?

※2018年7月の記事を再構成して掲載しました。

横置きエンジン用のモジュールコンセプト「MQB」を採用することで大きく進化した6代目「ポロ」に、スポーツモデルの「GTI」が追加された。

その概要についてはこちらのニュースをご覧いただくとして、基本設計が一新され、搭載されるエンジンも新開発とあって、どんな走りを見せてくれるのか、ずっと楽しみにしていた一台である。

全長こそ短いが、全幅はゴルフ5GTIとほぼ同じで、全高が少し低い新型ポロGTIはなかなかの迫力だ。レッドストライプが引かれたフロントマスクや、大型のルーフスポイラーによりスポーティさを増したリヤ、特徴的なデザインの17インチアルミホイールなどにより、すぐにGTIブラザーズの一員であることがわかる。ベースモデルが登場したときにもそう思ったが、「これでもポロか!」というほど、ゴルフ顔負けの存在感である。

そんな新型ポロGTIのハイライトのひとつが、搭載されるエンジン。旧型が192psの1.8 TSIを採用していたのに対し、新型は排気量を200cc増した200psの2.0 TSIをボンネット下に収めている。

さらに、DSGを乾式クラッチ型の7速から湿式クラッチ型の6速としたことで、大トルクに対応。旧型は6速MTには最大トルク320Nm(32.6kgm)仕様の1.8 TSIを組み合わせる一方、7速DSGではその許容トルクにあわせて最大トルクを250Nm(25.5kgm)に抑えていた。しかし、新型ポロGTIでは320Nmの最大トルクをいかんなく発揮できるようになったのだ。

室内を覗くと、GTIらしい風景が広がっている。"クラーク"呼ばれるタータンチェック柄の専用ファブリックシートがその最たるものだ。シートやステアリングホイールに施されるレッドステッチや、ブラックのルーフライニングなどもGTIらしい演出である。

運転席からの眺めはさらにインパクトがある。ダッシュパネル、センターコンソール、ドアトリムには"ベルベットレッド"のパネルが装着され、個人的には少し過剰な演出に思えたほどだ。

試乗車は、オプションのテクノロジーパッケージが装着されており、フルデジタルメーターの"Active Info Display"も目新しいところだ。

しかも、最新世代のActive Info Displayということで、下の写真のようにほぼ全面に地図が表示できるモードや、各種情報を配置できるモードが用意される。

そうはいっても、運転を楽しむには、速度計と回転計が大きくレイアウトされる見慣れたデザインがイチバン! ということで、いつものメーターに切り替えてさっそく走り出すことにする。

走り出してまず気づくのは低速トルクの豊かさ。エンジンのスペックを見ると、320Nmの最大トルクを1500rpmから発揮できるということだが、アクセルペダルを軽く踏むだけでも、その力強さが感じ取れる。

そもそもこの2.0 TSIは、現行の「アウディA4 2.0 TFSI」(FF)や「アウディA3 2.0 TFSI quattro」(4WD)にも採用されているものと基本的には同じタイプで、ポロGTIに搭載するにあたっては10psがプラスされ、より軽量なポロGTIを走らせるには十分過ぎるほどの性能なのだ。

さらにアクセルペダルを踏み込んでいくと、2500rpmあたりから盛り上がり、多少演出が過剰なサウンドを伴いながら回転を上げていく。レッドゾーンは6500rpmだが、約6000rpmで早々とシフトアップするのが少し物足りないが、もちろん十分に素早い加速を見せてくれる。

乗り心地は、ノーマルモードは一般道でやや硬めの印象だが、215/45R17タイヤと7.5J×17インチホイールをしっかりと手懐けており、ベースモデルのポロと16インチの組み合わせよりもむしろ気持ちが良い。一方、高速道路ではもう少しダンピングを効かせたいところで、そんなときはすかさずスポーツモードに切り替えればいい。高速巡航時のフラット感もまずまずだ。

ワインディングロードでは、軽快なドライブが可能だ。とりたててハンドリングがシャープというわけでないが、終始弱いアンダーステアに徹し、素直な動きを見せるのがGTIらしいところだ。兄貴分の「ゴルフGTI」と比べるのは酷だが、スタビリティやリヤの接地性は劣るものの、それでも絶対評価では高い性能を有しているのは確かである。

ゴルフよりもひとまわり小さなサイズのボディをいかし、街中から高速道路、そして、ワインディングロードまで、爽快なドライブが楽しめるのはポロGTIの大きな魅力。「ゴルフGTIはちょっと手に余る」という人には、サイズもパワーもちょうどいいGTIである。

(Text & photos by Satoshi Ubukata)