2025年6月20日、フォルクスワーゲンは、同ブランドを象徴するスポーツモデル「Golf GTI」史上最強のエンジンを搭載する「Golf GTI EDITION 50」を24時間レースが開催されるニュルブルクリンクで世界初公開した。
初代Golf GTIがデビューしたのは1976年のこと。その誕生から50年を迎える2026年に向けたアニバーサリーモデルとして登場したのが「Golf GTI EDITION 50」だ。
今回のワールドプレミアを前に、フォルクスワーゲンはGolf GTI EDITION 50をニュルブルクリンクに北コースに持ち込み、タイムアタックを敢行。その際に、フォルクスワーゲン車としては過去最速となる7分46秒13をマークしたのは既報のとおりだ。
そのGolf GTI EDITION 50の全貌が明らかになった。注目のエンジンは、「Golf GTI Clubsport」(日本未導入)の2.0 TSIエンジン(221kW/300PS)を改良することで18kW(25PS)、20Nmアップの239kW(325PS)、420Nmを達成した。これは、Golf GTI史上最強のエンジンであることを意味している。
これにともないサスペンションにも改良が加えられたことに加えて、最低地上高は標準のGolfに比べて15mm低められている。DCCや電子制御油圧多板クラッチ式のフロントディファレンシャルも手が加えられ、これまで以上に正確でダイナミックなハンドリングを実現するという。
さらに高いレベルの走りを求める人に対しては、オプションの「GTIパフォーマンスパッケージ」を用意。標準のGolf GTI EDITION 50に比べて5mmローダウンしたよりレートの高いスプリングは、よりダイレクトなステアリングレスポンスと、ロールやピッチングを抑えた走りを実現する。さらに、軽量”Warmenau”(ヴァルメナウ)19インチ鍛造ホイールやブリヂストンPOTENZAのセミスリックタイヤ、“Akrapovič”(アクラポヴィッチ)チタンエキゾーストシステムが追加される。
魅力的な装備も見逃せない。レッドのシートベルトや専用のチェックパターンが施されたスポーツシート、ボディサイドのストライプなどがGolf GTI EDITION 50を特別な雰囲気に仕上げるとともに、ステアリングホイール、ドアシルプレート、大型のリヤスポイラー、ブラックのドアミラーカバーに施された「GTI 50」のロゴがアニバーサリーモデルであることをアピールしている。
ボディカラーはピュアホワイト、グラナディラブラックメタリック、ムーンストーングレー、特別色のダークモスグリーンメタリックに加えて、やはり特別色としてトルネードレッドが復活するのも注目である。
Golf GTI EDITION 50は2025年末からドイツのウォルフスブルク工場で生産が始まり、2026年第1四半期にはデリバリーがスタートする予定だ。
日本にもぜひとも導入されることを期待したい。
(Text by Satoshi Ubukata)