2019年6月5日、8speed.net読者を対象にしたドライビングレッスン「8speed.net Driving Lesson in FSW」を富士スピードウェイで開催しました。

8speed.netが行うドライビングレッスンは今回で4度目。これまで同様、運転の基本を学んでいただける基礎編を実施しました。一般道ではなかなか体験できないさまざまなシチュエーションを、安全な場所で繰り返し練習することで運転の基本を学ぶとともに、いざというときに危険を回避する能力を身につけてもらうのが目的です。

富士スピードウェイの第2駐車場には、23台の参加車両が来場。フォルクスワーゲン、アウディに混じって、2台のポルシェが参加したのがこれまでとは異なるところです。

参加された皆さんと愛車は次のとおりです。まずはフォルクスワーゲンから。

続いてアウディとポルシェです。

講師はモータージャーナリストの齋藤 聡さんです。業界屈指のドライビングスキルを誇るばかりか、ドライビングレッスンのインストラクターとしても経験豊富な齋藤さんが、運転の基本をわかりやすく教えてくれます。

そして、「ツインリンクもてぎ 夏の12時間耐久」に参戦した須田 力さんが、アシスタント講師を務めました。

まずは齋藤さんから、レッスン内容の紹介や、タイヤのグリップの仕組み、ABSやESCの働きなど、これだけは知っておきたいの基礎知識の説明がありました。それを頭の隅に置きながら、いざ、レッスンをスタート!

最初のプログラムは、ブレーキによる危険回避。いざというときに事故を防ぐには、しっかりとブレーキを踏めるかどうか、また、ブレーキをかけながら危険を避けるようステアリング操作ができるかどうかがカギになります。でも、事前に経験しておかないと、いきなりはできないもの。そこで、ドライビングポジションやブレーキペダルの踏み方といった基本から学んでいきます。

さっそく二手にわかれて実技を開始します。

まずはフルブレーキングの練習。パイロンを目印にブレーキをかけるのですが、ブレーキペダルを踏む力が足りなかったり、タイミングが遅れたりと、慣れないと簡単なようで実は難しいんです。

そこで、1本走るごとに、講師が参加者にアドバイスを行います。すると、ほとんどの参加者が3回くらいでしっかりとフルブレーキができるようになりました。

思い切りブレーキが踏めるようになったところで、次は障害物を避ける練習です。ABSが装着されているクルマでは、ブレーキをかけながらステアリングを操作すれば、クルマの向きを変えることができます。いざというときに、ブレーキとステアリングを同時に操作できると、危険を回避できる確率は高くなりので、このプログラムも意外と重要。こちらもすぐにマスターしていました。

一方、高速道路を走っているときに、前のクルマから荷物が落ちてきたとか、突然追い越し車線に停止車両が現れたという状況などで、ブレーキで危険が回避できないときには、ステアリング操作だけで障害物を避ける必要があります。

いまのクルマはESC(横滑り防止装置)が搭載されているので、急なレーンチェンジを行ってもクルマをスピンさせず、うまく障害物を避けられる可能性があります。そんなシチュエーションを想定してのレーンチェンジを練習します。

あえてスピードを高めに設定し、厳しい条件で練習したために、最初のうちは障害物に見立てたパイロンを飛ばす参加者も多かったのですが、こちらも2回、3回と繰り返すうちに皆さんの多くがうまくかわせるようになりました。これだけでも、危機回避能力は格段にアップしたはずです。

ひととおり危険回避のプログラムが終わったら、次はタイヤの能力を生かして、気持ち良くクルマを曲げるためのテクニックを学びます。

タイヤのグリップには限界があります。加速しながらステアリングを大きく切ると、クルマは思った方向には曲がってくれません。うまく曲がるには、速度調整と前後タイヤの荷重移動、そして、適切なステアリング操作が必要です。

そのコツをパイロンスラロームや、オーバルコースの走行で学んでいきます。これも、最初のうちはなかなかリズミカルにパイロンを通過できなかったり、オーバルコースを大回りしてしまう参加者が少なくありませんでしたが、講師によるアドバイスを実践することで、スムーズで無駄のないドライビングに変わっていきました。

そして一日の仕上げに、パイロンでつくったコースを使ってタイムアタック!

緊張のあまり、ミスコースする参加者も続出しましたが(笑)、コーナーの進入がスムーズだったり、ブレーキがきちんと踏めるようになっていたりと、レッスンの成果が見て取れました。

こんな流れで行われた8speed.net Driving Lesson in FSW。一般道ではなかなか体験できないさまざまなシチュエーションを安全に体験してもらうことで、皆さんの危険回避能力を高めることができたとしたら、私たちもうれしく思います。

また、ふだんから荷重移動を感じながら運転することが、よりスムーズで気持ちのいいドライビングにつながると思います。加えて、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェの持つ基本性能の高さを、あらためて確認できたことが、参加者の皆さんにとっては大きな収穫となったのではないでしょうか。

ということで、今後も不定期ですがドライビングレッスンを開催していきますので、興味を持った人はぜひ次回ご参加ください!

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)