WRC第3戦は、今シーズン初のグラベル(未舗装路)ラリーとなるラリー・メキシコ。標高が2000m前後の場所で行われるため、空気中の酸素濃度が低く、マシーンにもドライバーにも厳しい環境となるイベントだ。
フォルクスワーゲンは引き続き3台のポロR WRCを投入して連覇を狙う。
ラリー・メキシコは、6日夜、世界遺産のグアナファトに設けられたコースで開幕。ここで、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジェがトップタイムを叩き出し、幸先のいいスタートを決める。アンドレアス・ミケルセンは3位、ヤリ-マティ・ラトバラは5位につけた。
7日には本格的に競技がスタート。一時、シトロエンのオストベルグにトップを明け渡したものの、この日はオジェがトップを奪い返す展開に。一方、ラトバラも好タイムで3位にポジションを上げた。
一方、ミケルセンはSS3でリタイヤし、優勝争いから離脱した。
8日は、2位でオジェを追うオストベルグがリタイヤとなり、ラトバラが2位に浮上。一方のオジェもベストタイムを連発して、3位以下に4分以上のリードを築いた。
最終日の9日、オジェは無理せず首位を守り、最終のパワーステージはトップタイムをマーク、今季2度目の優勝を果たした。
オジェは「われわれにとってメキシコは素晴らしい国です! 2008 年のジュニア WRC で初勝利を飾ったのもメキシコですし、昨年はフォルクスワーゲンで初めて総合優勝しました。そして今、私は再び優勝することができました。チームは素晴らしい仕事をしてくれましたし、ポロ R WRC も完璧に応えてくれました。スウェーデンを自分のミスで台無しにしてしまっただけに、勝利を待ち焦がれていたんです。ここでの優勝とパワーステージでの得点は選手権を考えたとき、非常に大きな意味を持ってくるはずです」とコメントしている。
これにラトバラが続き、フォルクスワーゲンは2戦連続で1-2フィニッシュで競技を終えることになった。
第4戦は4月3日に開幕する「ラリー・ポルトガル」。フォルクスワーゲンの4連勝に期待したい。
(Text by S.Ubukata)