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さっそく、ゆったりとしたレザーシートに陣取ると、エクステリア同様、インテリアの変貌ぶりに驚く。初代ティグアンのコックピットは、「ゴルフプラス」に似た丸いエアベントが上下に2つ並ぶデザインが特徴だったが、新型は直線的なデザインに一新されている。一見、ゴルフ トゥーランに似ているが、よく見るとティグアン独自のデザインとなっており、よりシャープでスポーティな仕上がりになっている。
運転席からの眺めは、ゴルフよりも少し高めのアイポイントのおかげで開放的で、見通しも抜群。それでいてシートポジションは高すぎず、乗用車の感覚が失われていないのが絶妙である。その存在感のあるデザインとともに、SUVを選ぶ理由のひとつがここにある。
さて、新型ティグアンには「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」「TSI R-Line」の3グレードが設定されるが、いずれもパワートレインは150psの1.4 TSIと6速DSGの組み合わせで、駆動方式はFFである。つまり、どのグレードを選んでも、基本的には同じ加速が味わえることになる。
常用する2000rpmあたりの回転域ではさらに活発になり、1.6トン弱のティグアンをストレスなく走らせるには十分なトルクだ。一方、アクセルペダルの踏み込みが浅くなると、メーターに「ECO」のマークが表示される。これは、4気筒のうちの2気筒を休止する"2シリンダーモード"に切り替わったことを示すもので、これにより瞬間燃費の数字が跳ね上がり、より少ない燃料で走行していることがわかる。
オプションのDCCが装着される試乗車は、ピッチングやロールをうまく抑え込みながら、硬さを感じさせないしなやかな乗り心地を示す。おおむね快適だが、235/55R18サイズのタイヤとホイールの重さからか、道路の継ぎ目などを通過したときに、ショックを遮断しきれないのが惜しいところだ。
アウディの"マトリクスLEDヘッドライト"に比べると反応速度や照射エリアのきめ細かさでは及ばないものの、それでも実用性は高く、とくに夜間に照明の少ない高速道路を移動するにはとても重宝した。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by H.Uemura)
さて、新型ティグアンには「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」「TSI R-Line」の3グレードが設定されるが、いずれもパワートレインは150psの1.4 TSIと6速DSGの組み合わせで、駆動方式はFFである。つまり、どのグレードを選んでも、基本的には同じ加速が味わえることになる。
組み合わされるトランスミッションは異なるものの、すでにパサートやゴルフ トゥーランで実績がある1.4 TSIは、車両重量が近いこのティグアンのFFでも十分なパフォーマンスを見せてくれるだろう......。事実、新型ティグアンはそんな期待を裏切らないクルマだった。
従来の"ツインチャージャー"、すなわち、ターボ+スーパーチャージャーから、ターボのみの過給に変更となった1.4 TSIだが、出足がもたつくことはなく、スムーズな動き出しを見せる。低い回転でもアクセルペダルに載せた右足の動きに素早く反応。まるで2Lオーバーの自然吸気エンジンを扱っているような感覚である。
常用する2000rpmあたりの回転域ではさらに活発になり、1.6トン弱のティグアンをストレスなく走らせるには十分なトルクだ。一方、アクセルペダルの踏み込みが浅くなると、メーターに「ECO」のマークが表示される。これは、4気筒のうちの2気筒を休止する"2シリンダーモード"に切り替わったことを示すもので、これにより瞬間燃費の数字が跳ね上がり、より少ない燃料で走行していることがわかる。
6速100km/hの回転数は2000rpmとやや高めだが、高速道路を流れにまかせて走っても、JC08モード燃費の16.3km/Lを上回るのは2シリンダーモードのおかげ。試しに左車線を控えめに走ってみたら、19km/Lオーバーの燃費をマークした。
もちろん、アクセルペダルを強く踏み込めば5000rpm代の後半まで素早い加速を見せるから、追い越しや本線への合流などの際に躊躇する必要はない。
オプションのDCCが装着される試乗車は、ピッチングやロールをうまく抑え込みながら、硬さを感じさせないしなやかな乗り心地を示す。おおむね快適だが、235/55R18サイズのタイヤとホイールの重さからか、道路の継ぎ目などを通過したときに、ショックを遮断しきれないのが惜しいところだ。
コーナーでは、SUVであることを忘れさせるほど軽い身のこなし。ボディの剛性感も十分に高く、安心してステアリングを握ることができた。旧型ではボディサイズのわりに小回りが効かなかったが、新型ではそれが気にならなくなったのもうれしい点だ。
ところで、試乗車にはオプションのダイナミックライトアシストが装着されていたが、夜のドライブをより安全・快適にしてくれるものだった。先行車や対向車の存在を確認し、自動的にロービームとハイビームを切り替える機能をさらに一歩進め、ハイビームの照射エリアを細かく調整することで、まわりのクルマに迷惑をかけることなく、広い範囲を明るく照らしてくれるというライティング技術だ。
アウディの"マトリクスLEDヘッドライト"に比べると反応速度や照射エリアのきめ細かさでは及ばないものの、それでも実用性は高く、とくに夜間に照明の少ない高速道路を移動するにはとても重宝した。
ダイナミックライトアシストは単体のオプションとしては用意されず、ヘッドアップディスプレイ、パワーテールゲート、DCCとあわせたテクノロジーパッケージとして提供されるが、もしも予算に余裕があれば、これは選んでおいて損のないオプションである。
それはさておき、新型ティグアンはSUVとしての運転のしやすさや機能性を維持しながら、先代以上にゴルフに近い運転感覚を実現するモデルに進化。しかも、最新のMQBモデルの例に漏れず、そつのない仕上がりの新型ティグアンは、安心してお勧めできるクルマとなっている。
現時点では4WDは用意されていないが、オンロードがほとんど、あるいは非降雪地区に住むという人なら、この1.4 TSIを積むFFモデルでもその魅力を十分に楽しむことができるはずだ。
気軽につきあえるSUVとして、新型ティグアンは幅広いユーザーに支持されるに違いない。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by H.Uemura)