ドイツ本国では、「ゴルフGTI」とともにレギュラーモデルとして販売されている「ゴルフGTIパフォーマンス」が、500台限定ではあるものの、日本でも発売になった。
ゴルフGTIパフォーマンスは、ゴルフGTIのキャラクターをより強めたハイパフォーマンスバージョン。マイナーチェンジ前の2014年にも500台限定で登場し、その後、ゴルフGTIパフォーマンスをベースとしたスペシャルモデル「ゴルフGTIクラブスポーツ」が日本でも発売されたのは記憶に新しい。
そのゴルフGTIパフォーマンスがマイナーチェンジにより進化し、ふたたび日本市場に投入されることになったわけだが、新色のダークアイアンブルーメタリックのボディカラーと、ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディションにも採用されていた19インチの「Brescia」が装着されていることを除けば、標準のゴルフGTIとはほとんど見分けはつかない。それだけに、GTIのハイパフォーマンスバージョンといわれても、なかなかピンとこないかもしれない。せめて「PERFORMANCE」のバッジのひとつでも装着してくれたらよかったのに(笑)
一方、その中身のアップグレードには目を見張るものがある。諸元表を見てすぐに気づくのがエンジンのパワーアップ。ゴルフGTIと同じ2.0 TSIは、最高出力が230ps/4700〜6200rpmから245ps/5000〜6700rpmに、最大トルクは350Nm/1500〜4600rpmから370Nm/1600〜4300rpmにそれぞれ向上。そして、湿式多板クラッチタイプのDSGはゴルフGTIの6速に代えて、新開発の7速を採用している。
しかし、一番の見どころはゴルフGTIパフォーマンスのみに装着される電子制御油圧多板クラッチ式のフロントディファレンシャルロックだ。これにより、コーナリング時のトラクションや旋回性能を高めることが可能になるのだ。
さらに、ブレーキの強化が図られ、前後のブレーキディスクの大型化に加えて、標準のゴルフGTIが前:ベンチレーテッドディスク、後:ソリッドディスクを装着するのに対して、ゴルフGTIパフォーマンスでは前後ともにベンチレーテッドディスクに。レッドにペイントされたフロントブレーキキャリパーには「GTI」の文字が記される。タイヤサイズは235/35R19になり、ゴルフGTIではオプションのDCCも標準装着となる。
インテリアでは、ドイツ本国でオプション設定される、ハニカムデザインとレッドラインが施されたマイクロフリースシートがおごられるのがうれしいところだ。
さらに、ゴルフGTIではオプションのテクノロジーパッケージ(Active Info Display、ダイナミックライトアシスト等を含む)と純正インフォテインメントシステム"Discover Pro"も標準装着となる。
ちなみに、ゴルフGTI(DSG)の価格は399万円で、これにDCCパッケージ(21万6000円)、テクノロジーパッケージ(17万2800円)、Discover Proパッケージ(22万6800円)を加えた金額が461万4600円。一方、ゴルフGTIパフォーマンスの価格は456万円だから、その内容だけでなく、価格の点でもいかに魅力的かがわかるだろう。
なお、2018年モデルではActive Info Displayの地図表示で縮尺の調整が可能になった。このゴルフGTIパフォーマンスにもその最新版が採用されていたことを付け加えておく。
ということで、ゴルフGTIファンとしては見逃すわけにはいかないゴルフGTIパフォーマンス。果たしてその走りは?
後編に続く......
(Text by Satoshi Ubukata)