2026年6月17日、Porscheは2027年モデルイヤーの「Taycan」に大幅なアップデートを実施し、ドライビングプレジャー、サーキット性能、デジタル体験をそれぞれ強化した。新たに仮想的な変速を楽しめる「E-Shift」を全モデルに設定したほか、RWDモデルではWLTPモードで最大700kmの航続距離を実現。また、「Taycan Turbo GT with Weissach Package」には、初めて工場装着オプションとして「Manthey Kit」が用意されるようになった。
今回のアップデートで最大の注目点となるのが、新開発の「E-Shift」システムだ。EVでありながら、8段の仮想ギヤをパドルシフトで操作でき、変速時のショックやエンジンブレーキのような減速感、さらには回転リミッターまで再現することで、内燃機関車のような走行フィールを演出する。あわせて「Porsche Electric Sport Sound」も刷新され、アクセル操作や“エンジン回転数”に応じて音が変化し、視覚・聴覚・触覚に訴える新たなドライビング体験を提供するという。Turbo GTにはこのシステムが標準装備される。
一方、サーキット志向のユーザーに向けては、「Taycan Turbo GT with Weissach Package」に専用のManthey Kitを設定。空力性能やシャシー、パワートレインの最適化を図ることで、ニュルブルクリンク北コースではラース・ケルンのドライブにより6分55秒533という、電動エグゼクティブカーカテゴリーの新記録を樹立した。これまでManthey Kitは主にGTモデル向けに展開されてきたが、電気自動車への設定は今回が初めてとなる。しかも、従来の後付けだけでなく、新車注文時に工場装着仕様を選択できる点も大きな特徴だ。
Taycan Turbo GT with Weissach Package
Taycan Turbo GT with Weissach Package
Taycan Turbo GT with Weissach Package
Taycan Turbo GT with Weissach Package
Taycan Turbo GT with Weissach Package
実用面でも改良が加えられた。RWDのセダンおよびSport Turismoには、転がり抵抗を低減した新しいサマータイヤを設定し、「Performance Battery Plus」との組み合わせでWLTPモード700kmという航続距離を実現。従来より最大20kmの航続距離向上が図られ、長距離移動での利便性がさらに高められている。なお、Sport Turismoでは最大671kmの航続距離となる。
インフォテインメントシステムも全面刷新された。新世代のPCM(Porsche Communication Management)は従来比で最大5倍の演算性能を備え、レスポンスや画面遷移を大幅に改善。実車と同じボディカラーを反映した3Dモデル表示や、自由に配置できるウィジェット、テーマカラー変更機能などにより、操作性とパーソナライズ性を高めている。
また、AIを活用した音声アシスタント「Voice Pilot」も進化した。自然な会話形式でナビゲーションや車両機能、メディア操作などに対応するほか、Googleベースの地点検索や連続した質問にも対応。「Hey Porsche」を繰り返さずに会話を継続できるようになった。さらに、充電リッドの開閉まで音声で操作できるという。OTA(Over The Air)によるインフォテインメント更新や最大25Wのワイヤレス充電にも対応し、スマートフォンとの連携機能も強化された。
今回のモデルイヤーアップデートは、単なる機能追加にとどまらない。EVならではの静粛性や効率性を維持しながら、疑似変速による感情に訴える走りや、Manthey Kitによるサーキット性能の追求、そして最新デジタル体験の充実まで図った点が特徴だ。航続距離700kmという実用性の向上も含め、Taycanは高性能EVとしての完成度をさらに高めたモデルへと進化したといえる。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。