AudiのピュアEV「e-tron」シリーズに加わったスタイリッシュな4ドアクーペ「Audi e-tron GT quattro」に試乗。その走りは?

「ポルシェ タイカン」と同じ“J1パフォーマンスプラットフォーム”を採用するAudi e-tron GT。標準モデルの「Audi e-tron GT quattro」とAudi Sportが手がける「Audi RS e-tron GT」が2021年4月に日本デビューを果たしているのはご存じのとおりだ。

今回試乗したのは前者のAudi e-tron GT quattro。システム出力350kW(476ps)を誇る前後2基のモーターにより電動quattroを実現する。床下に搭載される駆動用リチウムイオンバッテリーは、総容量93kWh、使用可能容量が86kWhで、一充電走行距離は534kmを誇る。

Audi e-tron GT quattroの概要については上記のニュースをご覧いただくとして、ドアを開けると、ファブリックのスポーツシートが目に入る。実はこれ、“レザーフリーパッケージ”の一部で、レザーの代わりにリサイクル素材を用いたのが特徴。環境への配慮を重視する人にはうれしい装備だ。

Audi e-tron GT quattroは、バーチャルコックピットやMMIナビゲーションなどおなじみのデジタル化を採り入れている一方、エアコンの調整パネルは物理スイッチを残すなどして、他のAudiから乗り換えても、違和感なく操作できるのがうれしいところだ。

さっそくアクセルペダルを軽く踏むと、高性能なEVらしく、発進はスムーズで軽々。車検証には車両重量が2290kgと記されていたが、その数字が嘘のように、身のこなしは軽い。

試乗車にはオプションの20インチホイールと前:245/45R20、後:285/40R20タイヤが装着されていたが、標準のダンピングコントロールサスペンションが落ち着いた挙動を保ちながら、不快なショックをカットしてくれるので、乗り心地は実に好ましい。

一方、高速道路の合流や追い越しの場面でアクセルペダルを深く踏み込むと、4L V8クラスの余裕ある加速を見せてくれる。もちろん電気モーターを搭載するだけに、その加速はスムーズで、アクセルペダルからの指示に間髪入れず反応するのが実に爽快だ。

別の機会にAudi e-tron GT quattroでサーキットを走行する機会があったが、コーナー出口に向けてアクセルペダルを全開にしたときのトラクション(グリップ)が極めて高く、安心して加速できたのは、電動化されてもさすがquattroである。

Audi RS e-tron GTに比べると、背中を蹴飛ばされるような加速こそないが、それでもこのクルマ単独で見ればスポーツセダンとしての爽快な加速が味わえるAudi e-tron GT quattro。SUVよりも、背の低いスポーティなクルマを好む人には、外せないEVの選択肢といえるだろう。

(Text & photos by Satoshi Ubukata)