買う前からわかってはいましたが、アウディA1の荷室はお世辞にも広いとはいえません。

そもそも、この"上げ底"は何?
「アバントみたいに敷居とフロアの段差が小さく、荷物が積みやすい!」といえなくはないですが(笑)、ふつうハッチバックというと開口部から荷室のフロアまでが10cm以上あって、そのぶん荷物がたくさん積めるものですけどねぇ。

比較のためにポロの荷室を見てみましょう。実はポロの荷室はフロアの高さが2段階に変えられるようになっていて、写真は下のポジションにフロアボードを留めている状態です。写真の右側、一段高いところに線上の出っ張りがあるのがわかりますか? ここが上のポジションです。
この、ポロの上のポジションにあたる位置に、A1のフロアが設定されているようです。その理由は?


フロアボードを開けてみると、写真左のように、テンパータイヤが現れました。その横には"B-CAS"カードの差し込み口。これじゃあ下のポジションは使えません。

しかし、根本的な問題は、テンパータイヤの下にバッテリーがあること(写真右)。フロントヘビーなA1の前後重量配分を少しでも改善しようという努力が見られます。ちなみに車検証によれば、車軸重はフロント740kg:リア450kgです。

こちらはポロGTIの荷室です。ポロGTIもテンパータイヤの下にバッテリーがあるため、上のポジションしか使えません。A1とは"上げ底"仲間!?
話はA1に戻りますが、フロア下には思いのほか隙間があるので、洗車道具とかジャンプケーブルなど、いろいろと小物が収まりました。

これはうれしい!
ところで、荷室の側面に妙な出っ張りがあるのをご存じですか?

何をするためのものかというと......
フロアボードを開けたときにボードを押さえておくためのものです。力がかかると引っ込むので、フロアボードを閉めるときは強く動かすだけでOKです。
最後に、荷室つながりの話題をひとつ。テールゲートの内側に細長い蓋があります。開けると三角板が入っていました。わざわざ買わなくて済みました。邪魔にならないのもいいですね!

さすが、おもてなしのアウディ!

(Text by Satoshi Ubukata)