純正のマフラーハンガーと交換するだけでボディ剛性の向上が図れる人気のチューニングパーツが「cpm LowerReinforcement」。この画期的なパーツの生みの親であるcpm代表・篠原 誠氏に、開発の経緯や商品と特徴を伺う。 ----いまやフォルクスワーゲン、アウディオーナーにとって、cpmは人気のブランドですね。

いままでの補強パーツはスチールのパイプなどを使ってガッチリ固めてしまうのが主流でしたが、それだとどうしてもサーキットなど、走りに特化したものになり、街乗りで使えないという印象でした。それを、街乗りでも使えて、効果があるものをつくろうというのがcpmのコンセプトです。

アルミの板を使って、補強パーツをつくったのはcpmが初めてです。ガッチリ固めなくてもしっかり感が出るというところが特徴です。街乗りの人も、サーキットに出かける人も両方使える、いいとこ取りをしたのが受けた理由ではないでしょうか。
 

----発想はどこから?

こんなパーツがあったらいいなと思っていました。実は僕自身、ジェッタ5に乗っていたんですが、下回りについている標準の薄っぺらいマフラーハンガーをアルミの板でつくったらどうなるんだろう?と思って試してみたのが始まりでした。実際につくってみると、予想以上に効果があったので、商品化に向けて開発を進めていったわけです。

もともとフォーミュラカーやレーシングカーの部品、ショップ向けのワンオフ部品をつくっていました。弊社のノウハウを使ったオリジナル商品を出せないかと考えていたとき、アルミを使ったシャシー部品をつくったらいいのではないかと思い、研究をしていたなかで、スチールの補強より、アルミのほうがしなやかで、高剛性のものをつくれるというのがわかったのです。

その効果を1年くらいかけてテストし、プロショップの協力などを得ながら完成度を上げていきました。そして出来上がったのが「cpm LowerReinforcement Type 1 Standard」です。


----硬さが絶妙ですね!

硬くしすぎると乗り心地が悪くなるうえに、いろいろと悪影響が出てきます。たとえば、ドアから音が出てくるとか。サーキットでタイムを出そうという人には気にならないことですが、街乗りには向きません。やはり、効果はあるんだけど、悪いところが出てこないというところを狙って、形状や材質を変えて辿りついたのがこのType 1 Standardです。

もちろんクルマに応じて性格が違っていて、たとえば、Audi A6/A7用などはかなり柔らかめにしています。しっかりしているんだけど、しっとり感があるような味付けです。人によっては、劇的な変化がないといいま すが、劇的に変わると悪いところも目立ってくるので、それはわれわれが狙ったところです。

一方、もっともっとという方のためにつくったのが「Type 2 Stiffer」です。硬くしすぎないというのがわれわれのコンセプトなので、その硬さのさじ加減が難しいところでした。


----ゴルフ7用が人気と聞きましたが。

ゴルフ7用は5/6用より板厚が薄いんですが、ゴルフ5/6用に比べると硬めにできています。リヤがパイプになってしまったので。その代わり、フロント側を少しソフトにしました。

おかげさまでこのゴルフ7用が好評です。ゴルフ5/6からゴルフ7に乗り換えた方が、「まずはここから」ということでお求めになってくださるようです。そこで高い評価を得た結果、口コミで新しいユーザーも増えています。今回、リヤにはアルミの中空パイプを使っています。目の字の断面が特徴です。その材質や骨の太さを吟味することで、絶妙な硬さを生み出しているんです。


■cpm LowerReinforcementの試用レポート

・Type 1 Standard
・Type 2 Stiffer
・Golf7/Audi A3

後編に続く......


(Text by Satoshi Ubukata)