※前編はこちら
ファクトリーでまず最初に案内されたのは、圧巻のサイズを誇る高炉のエリア。
三機も並んでいるこの高炉によって、素材となる鋼材からアルミホイールのベースとなるアルミ合金が生まれる。
次に、鋳造型がセットされた大型のプレス機を視察。この機材によって、熱と圧力が加わり、アルミホイールの原型が成形されていく。
大変興味深かったのが、鋳造のプレス機の近くにあったディスプレイ。鋳造型の構造がとてもわかりやすい。視覚的にも理解しやすい配慮に驚いた。
次に、鋳造型がセットされた大型のプレス機を視察。この機材によって、熱と圧力が加わり、アルミホイールの原型が成形されていく。
大変興味深かったのが、鋳造のプレス機の近くにあったディスプレイ。鋳造型の構造がとてもわかりやすい。視覚的にも理解しやすい配慮に驚いた。
鋳造型から上がってきたホイールはそのままベルトコンベアに乗って移動し、1本づつ丁寧にX線にて検査が行われる。この段階で問題が見つかると次の工程には進めず、リサイクルなどに回ることとなる。
リムや表面のバリ取り等の作業も、1本1本丁寧に仕上げられていく。
そして一部のホイールのモデルは、HLT(フローフォーミング製法)が施される。このHLTは熱と圧力、回転によってホイールのリムが引き伸ばされる製法。実際のリムの長さの差は写真の通り一目瞭然だ。
Atelier Forgedシリーズといった鍛造モデルは、切削機によって製造されていく。
O・Zでは5軸の切削機も保有しており、デザイン性の高い鍛造ホイールが製造できる秘密はここにあった。
このようにフラットな表面を持つ鍛造のホイールを切削することによってデザインが完成する。
O・Zのファクトリーで他社と決定的に違うのは、レーシングホイールと市販車用のホイールを設計するチームが別々ではなく、シームレスに連携していることだ。
このようにフラットな表面を持つ鍛造のホイールを切削することによってデザインが完成する。
O・Zのファクトリーで他社と決定的に違うのは、レーシングホイールと市販車用のホイールを設計するチームが別々ではなく、シームレスに連携していることだ。
今回の取材では、レース部門の守秘義務のために残念ながら写真はNGだったが、さまざまなレーシングテクノロジーの話、市販車用のホイールへのフィードバックの詳細を聞くことができた。
デザインだけでなく、ホイールの耐久性もレース用と同等の品質を付与させている。その証拠に、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースを再現するシミュレーターを完備し、35,000kmもの距離を全開で走行するテストを行っているのだ。
この過剰なまでの耐久テストやレース直系のデザインが、O・Zがレーシングたる由縁であるのだろう。
マグネシウム鋳造は主にレース車両向けに使用されるハイエンドホイール。このセクションのフィードバックは、市販車向けのホイールを製造するセクションはもちろん、デザイン・設計チームまでにも及ぶ。
取材に答えてくれたのはデザインチームの長、ステリオ・ミキエラン氏。
デザインの秘訣は、取材している通りレースからのDNAがメインとなるのでここでの紹介は割愛するが、ステリオ氏には非常に陽気な性格で接して頂き、この雰囲気でチーム全体で楽しみながらデザインしていることが想像出来る。
最後に、ファクトリーの一角にある工房に案内された。
デザインの秘訣は、取材している通りレースからのDNAがメインとなるのでここでの紹介は割愛するが、ステリオ氏には非常に陽気な性格で接して頂き、この雰囲気でチーム全体で楽しみながらデザインしていることが想像出来る。
最後に、ファクトリーの一角にある工房に案内された。
ここは学生フォーミュラカーを製造している工房で、O・Zが未来を担う学生達に場所を開放しているとのことだった。
自動車やものづくりに興味を持つ学生をサポートする、素晴らしい企業理念を垣間見ることができた。
ファクトリー等を懇切丁寧に案内してくれたのは、O・Zの敏腕コミュニケーションマネージャー、マルティーナ・ボルディニオン氏。
イタリアという土地柄がそうさせているのか判らないが、今回出会ったO・Z本社のスタッフは皆明るく陽気な方ばかりで、仕事も非常に情熱的に取り組んでいる印象を受けた。
1971年の創業から早くも46年の歴史を紡いできたO・Zホイール。レーシングサプライヤーとしての活動、情熱的なものづくり、企業理念、その歴史のすべが今日までその人気を不動のものに保っているのだろうと感じることができたツアーだった。
(Text & Photos by Masato Uchida)