コンチネンタルタイヤ・ジャパンは、2018年9月から販売が開始される新スタッドレスタイヤ「VikingContact 7」の説明会を開催した。

生まれ変わったVikingContactの特徴は何か、その進化を探る。

すでにこちらの記事でもお伝えしているとおり、コンチネンタルの新しいスタッドレスタイヤ「VikingContact 7」が日本でも発表になり、この9月から販売がスタートする。

その前身である「ContiVikingContact 6」は、優れた氷雪路面での性能に加えて、快適なドライ路面での性能を持ち、そのバランスの良さや安心感で日本でも高い評価を得てきた。このスタッドレスタイヤが発売から4年を経て新世代のVikingContactに生まれ変わった。

私自身、愛車にContiVikingContact 6を装着し、さまざまな場面でその実力の高さを実感してきただけに、どう進化したのか興味津々である。

説明会では、コンチネンタル・ジャパンの技術・製品担当部長である高橋徹雄さん(写真下)が講師を務め、VikingContact 7の特徴を解説。新商品の目指しているところが明確になった。

スタッドレスタイヤは、雪や氷の路面で優れたグリップが求められているが、場所が変われば路面も変わる。路面の凍結が多い地域、圧雪となることが多い地域、シャーベット状の雪に路面が覆われる地域などさまざまだ。そういったあらゆる冬の路面に対応することに加えて、ウェット性能を高めてほしいという要求も多い。

しかし、ウインター性能とウェット性能は相反するもので、高い次元で両立することが難しいとされてきた。そこで、VikingContact 7は、新しいコンセプトのトレッドパターンやコンパウンドによってこの課題を解決したというのだ。

なかでも大きく変わったのがそのトレッドパターンだ。VikingContact 7では左右対称のパターンを採用しており、これを見ただけでもVikingContact 7が大胆に生まれ変わったことがわかるだろう。

さらにVikingContact 7は回転方向が指定されており、これがウインター性能とウェット性能の両立に貢献している。

VikingContact 7が採用する「インテリジェント・パターン・デザイン」には、「エフィシエント・グルーブ・ネットワーク」と「S-Iジョイント・コンポーネント」と呼ばれるテクノロジーが盛り込まれている。

エフィシエント・グルーブ・ネットワーク(写真下)は、水やシャーベット状の雪をパターンの中央部から一気に排出するためのもの。左右対称のパターンと回転方向指定はここで生かされるのだ。

その一方で、 排水に関わらない溝(写真下の青の部分)に、ブロックの安定性を高める「インターロック・ブリッジ」を設けたり、また中央からの"排水路"につながっていない溝の一部分(写真下の黄色の部分)にパターンを補強するための「ソリッド・リンケージ」を設置することで、"排水路"のつぶれを抑えている。

ブロックの剛性を保つソリッド・リンケージは、ドライ路面ではハンドリング性能にも貢献する。

もちろん、カンジンのウインター性能も向上が図られている。トレッドの両サイドに設けられる「バリアス・3Dサイプ」(写真下)は、ブロックの剛性を確保しながら、しっかりと雪を掴む"スノーポケット"をつくり、雪上性能を確保。断面を見てわかるようにサイプは複雑な形状で、非常に高い金型技術を持つコンチネンタルタイヤだからこそ実現できるデザインだ。

さらに、「ノルディック・コンパウンド」により優れたグリップ力を発揮。分散性の高い「アクティブ・グリップ・シリカ」により、ウェット路面でのグリップを向上させるとともに、低温時の柔軟性をもたらす菜種(なたね)オイルを配合している。

こうしたテクノロジーにより、VikingContact7は、ContiVikingContact 6とほぼ同等のドライ性能を確保しながら、アクアプレーニング性能やウェットブレーキ性能、シャーベットプレーニング性能を強化。また、氷上、雪上性能も向上させているという。

というわけで、その仕上がりが楽しみなVikingContact 7。チャンスがあれば愛車に装着して、その実力を試してみたいと思う。

(Text by Satoshi Ubukata)

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