Volkswagenの電気自動車「ID.4 Pro」で長距離を走ったら、どんな旅になるのか? 6つのメディアがID.4を“たすき”でつなぐ長距離リレー試乗会に参加しました。
8speed.netが担当したのは、新潟県の上越から富山までの区間。最短なら約118kmの道のりなのに、終わってみれば318kmも走っていました。その理由は?
516km走れるなら、寄り道しないともったいない!?
今回の「ID.4長距離リレー試乗会」は、東京をスタートし、高崎、上越、富山、岐阜、浜松、静岡を経て東京へ戻るルートを、6つのメディアがリレー形式で走るというもの。試乗を終えたメディアは“たすき”に媒体名を書き込み、ID.4とともに次のメディアへと引き継いでいきます。
8speed.netがID.4を受け取ったのはVolkswagen上越。“旅のしおり”によれば、ここからVolkswagen富山新庄までは約118km、所要時間は約2時間という距離です。
旅の出発点となったVolkswagen上越
旅の出発点となったVolkswagen上越
クルマを受け取り、メーターを確認するとバッテリーは満充電。走行可能距離は516kmと表示されていました。だったら、まっすぐ富山へ向かうのはもったいない! せっかくの機会なので、気になる場所へ寄り道しながら富山を目指すことにしました。
実はこの日の天気予報は雨。せっかくのロングドライブなのに……と少し残念に思っていたのですが、ID.4で走り始めると、それまで降っていた雨が止みました。青空が顔を出すことはありませんでしたが、雨に濡れずにドライブを楽しめるだけでもラッキーです。
まずは北陸道に入り、ACCをセットして西へ。こういう場面はID.4の得意科目です。EVらしい静かでスムーズな走りに加えて、低い位置に重いバッテリーを搭載することで、高速道路ではどっしりとした安定感があります。路面のうねりを越えてもクルマの姿勢が乱れにくく、フラットな乗り味も好印象。ACCを活用すれば高速巡航も実にラクで、長時間運転していても疲れにくいクルマです。
ID.4で波打ち際を走る!
富山を通り越し、われわれが向かったのは、さらに西の石川県でした。やってきたのは「千里浜なぎさドライブウェイ」。最大の特徴は、その名のとおり砂浜をクルマで走れることです。砂浜にクルマを乗り入れると聞くと、「タイヤが砂に埋まってしまわない?」と心配になりますが、砂が硬く締まった部分を選べば、ID.4でも安心して走ることができます。
千里浜なぎさドライブウェイは過去に何度か訪れたことがあります。一番の楽しみは波打ち際のドライブ。クルマのすぐ横に広がる海を感じながらのドライブは、他ではなかなか体験できないからです。
こういう場面では、エンジン音がないぶん、波の音や潮風をより身近に感じながら走れるのもうれしいところ。高速道路で感じた静粛性とはまったく違う意味で、「静かなクルマっていいな」と思った瞬間でした。
そして、千里浜での楽しみはドライブだけではありませんでした。砂浜を走っていると、季節外れの海の家を発見。せっかくなのでID.4を停めて、ちょっと休憩することにしました。そこで注文したのは、焼きはまぐりと焼きイカ。海を眺めながら、焼きたてを頬張ります。
9月も半ばを過ぎれば、夏はとっくに終わった気分。でも、砂浜をクルマで走って、海の家で焼きはまぐりと焼きイカを食べていると、なんだか遅い夏休みを楽しんでいるようでした。
天気予報どおりの雨だったら、こうはいかなかったでしょう。晴れなかったのは少し残念でしたが、雨に降られずに千里浜を楽しめただけでも十分です。
千里浜をあとにして、今度こそ富山へ……と思ったものの、私たちの寄り道はまだ終わりません。途中で珍しい飛行機を見るために富山空港へ立ち寄ったり、中古品を扱う店を何軒か巡って趣味のアイテムをチェックしたり。
「あそこにも行ってみよう」「まだ時間があるから、こっちも覗いてみよう」と、その場の思いつきでルートを変えていきます。
こんなことをしているとバッテリー残量が気になりますが、今回はそれを心配する場面がほとんどありませんでした。なにしろ出発時の航続可能距離は516km。予定外の場所へ立ち寄っても、不安にならないだけの余裕がありました。ID.4には「寄り道できる自由」がありました。
高速道路だけでなく、街なかでも扱いやすい
そうしてあちらこちらに寄り道しながら、ようやく富山市内へ。ここでは高速道路や千里浜とは違ったID.4のよさに気づきました。ID.4は決して小さなクルマではありません。それだけに、市内の狭い道に迷い込んだとき、「通り抜けられるかな」と不安になる場面もありました。でも、実際には予想以上に小回りが利きます。最小回転半径は5.4mで、今回の試乗会でも市街地での取り回しのよさが注目ポイントのひとつとして挙げられています。
富山駅前にあるホテルの駐車場も、まわりに路上駐車が多く、通り抜けるのに苦労しそうでしたが、実際には短いフロントオーバーハングを生かして、狭い場所でも思い切ってノーズを入れてから曲がることができました。
そして、この日のドライブはここで終了。夜は富山の街で白エビをはじめとする海の幸を堪能し、翌日は富山ブラックラーメンも味わいました。
千里浜では焼きはまぐりと焼きイカ、夜は富山の海の幸、そして翌日は富山ブラック。振り返ってみると、よく走り、よく食べた1泊2日の旅でした(笑)
118kmのはずが318km。それでも残量は27%
翌日は近くのガソリンスタンドで洗車をしたあと、Volkswagen富山新庄へ。Volkswagen上越を出発してから走った距離は318km。電費は5.8km/kWhでした。
Volkswagen富山新庄に到着した時点で、バッテリー残量は27%、走行可能距離は125km。高速道路を含めて、400kmはラクに走れるというわけです。
Volkswagen富山新庄では、次のメディアへの引き渡しに備え、充電時間が設けられていました。店舗に設置された90kW急速充電器につなぎ、小一時間ほどでバッテリーはほぼ満充電に。私たちが“たすき”に8speed.netの名前を書き込むと、ID.4は次のメディアとともに新たな目的地へと旅立っていきました。
Volkswagen富山新庄で充電後、ID.4とたすきを次のメディア「CARトップ」に渡しました。
プラス200kmの寄り道、こんな自由こそ、クルマで旅する醍醐味です。今回はID.4が楽しい旅をサポートしてくれました。
(Text & Photos by Satoshi Ubukata)