「BILSTEIN(ビルシュタイン)」といえば“イエローのショックアブソーバー”を思い浮かべる人も多いだろう。そんな同ブランドの現在のラインアップは非常に幅広く、純正リプレースメント用からスポーツダンパー、ローダウンキット、電子制御サスペンション対応モデル、本格サーキット向け車高調まで、多彩な製品を揃えている。今回は、そんなBILSTEINの現行ラインアップを改めて整理し、それぞれの特徴を紹介していきたい。
ドイツ生まれのサスペンションブランドとして知られるBILSTEINは、1950年代に世界初のガス封入式単筒ダンパーを実用化し、その名を広く知られる存在となった。1957年にはメルセデス・ベンツに純正採用され、以降はモータースポーツからプレミアムカーの純正装着、さらにはアフターマーケットまで、幅広い分野で高い支持を獲得している。
フラッグシップの「BILSTEIN EVO」シリーズ
BILSTEINのスポーツサスペンションといえば、まず注目したいのがローダウン&車高調キット群だ。
現在のフラッグシップとなるのが「BILSTEIN EVO」シリーズである。近年の輸入車に求められる快適性や電子制御との親和性を重視した新世代ラインで、「EVO S」「EVO SE」「EVO T」、さらにサーキット志向の「EVO R」まで展開されている。街乗りからワインディングロード、サーキットまで、用途に応じて選べるのが特徴だ。
それぞれの特徴は以下のとおりだ。
EVO S
ストリート向けのベーシックな車高調モデル。快適性を重視しながら、ローダウンとスポーティーなハンドリングを実現する。日常使いを重視するユーザー向けだ。
EVO SE
純正電子制御サスペンション対応モデル。純正機能を活かしたまま装着できる“プラグ&プレイ”が特徴で、コンフォート性とスポーツ性を高次元で両立する。近年のプレミアムカーとの相性がいい。
EVO T
ストリートからスポーツ走行まで幅広く対応するモデル。減衰力調整機能を備え、ユーザーの好みに合わせたセッティングが可能となる。EVO Sよりも走り志向の強いユーザー向けと言える。
EVO R
サーキット走行を強く意識したトップレンジ。伸び側・縮み側を個別調整できる2way減衰力調整機構を備え、100通りのセッティングが可能。まさにモータースポーツ由来の“Race Performance”モデルである。
伝統の車高調シリーズが「B14」と「B16」
BILSTEIN伝統の車高調シリーズとして根強い人気を持つのが「B14」と「B16」である。
B14はネジ式車高調整機能を備えたベーシックモデル。車高を好みに合わせて調整できる一方、減衰力はメーカー推奨値に固定されており、セットアップに悩まずBILSTEINらしいスポーティな乗り味を楽しめる。
対するB16は、車高調整に加え減衰力調整機能も搭載。ドライバーの好みやタイヤ、ステージに応じて細かなセッティングが可能で、より積極的にサスペンションを煮詰めたいユーザー向けのモデルと言える。車種によっては電子制御ダンパー対応の「B16 DampTronic」や「B16 ridecontrol」も用意される。
さらに、“まずは純正より少しスポーティにしたい”というニーズに応えるのが「B12」シリーズだ。専用ダンパーとローダウンスプリングを組み合わせたキットで、「B12 Pro-Kit」と「B12 Sportline」が用意される。過度に硬さへ振るのではなく、日常域での扱いやすさを残しながらローダウンスタイルと運動性能向上を狙えるのが魅力である。
また、サーキット走行を重視するユーザー向けには「Clubsport」もラインアップ。キャンバー調整機構などを備え、より本格的なスポーツドライビングを支えるモデルとなっている。
なお、近年、BILSTEIN Japanでは商品名称をドイツ本社のグローバル表記へ統一しており、以前からのユーザーにとっては“名前が変わった”ことに気づくだろう。
名称が変更されたモデルは以下のとおり。
・BTSキット→B12
・BSSキット→B14
・BPSキット、PSS10→B16
従来の愛称に慣れているユーザーにとっては戸惑う部分もあるが、現在は世界共通名称としてB4/B6/B8/B12/B14/B16となっている。
純正品質を選びたいなら「B4」シリーズ
BILSTEINというとスポーツサスペンションのイメージが強いが、実は純正品質のリプレースメントダンパーも充実している。
代表的なのが「B4」シリーズだ。こちらは純正同等レベルの性能を目指したOEリプレースメントモデルで、純正の乗り味を大きく変えず、経年劣化したショックアブソーバーをリフレッシュしたいユーザーに向く。
近年増えている電子制御ダンパー装着車向けには、「B4 DampTronic」や「B4 DampMatic」も用意。純正電子制御機能を維持したまま交換できるのが特徴だ。エアサスペンション車向けには「B4 Air Suspension」「B4 Air Suspension Module」も展開されており、現代のプレミアムカー事情に対応したラインアップ構成となっている。
さらに、“純正形状のまま走りをアップグレードしたい”ユーザー向けには、「B6」や「B8」がおすすめだ。
B6は純正形状スポーツダンパーで、車高はそのままに運動性能や安定感を高めるモデル。SUVや4WD向けのリフトアップ対応製品も設定されるなど、適応範囲は広い。
一方のB8はローダウンスプリングとの組み合わせを前提としたショートストローク仕様。ローダウン車両で不足しがちなストローク量に配慮した設計となっており、スタイルと走行性能を両立したいユーザーから支持を集める。
BILSTEINで愛車の走りをワンランクアップ
モータースポーツで培われた技術と、純正採用で磨かれた信頼性。その両方を兼ね備えるのがBILSTEINの大きな魅力だろう。
純正同等のリフレッシュ用途から、ワインディングをもっと楽しみたいユーザー、本格的なスポーツ走行を楽しむドライバーまで、ラインアップは実に幅広い。近年では電子制御ダンパーやエアサスペンションへの対応も進み、現代の輸入車事情に合わせた進化も続いている。
愛車の乗り味を変えたい、あるいは長く快適に乗り続けたい。そんなさまざまなニーズに応えてくれるBILSTEINのサスペンションは、カーライフをさらに楽しいものにしてくれる存在といえるだろう。
(Text by 8speed.net Editorial Team)
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