2025年の世界販売に関するデータが公開されるなか、日本での販売状況はどうだったのか。JAIA(日本自動車輸入車組合)の統計資料をもとに、2025年のVolkswagen、Audiの販売を振りかえる。

ブランド別ではVolkswagenは3位、Audiは4位

2020年から2025年までの日本国内販売台数の推移を見ると、VolkswagenとAudiは、ともに輸入車市場の中核ブランドでありながら、販売動向においては対照的かつ変動の大きい局面を経験していることが分かる。

JAIAの統計資料をもとに作成

Volkswagenは2020年から2023年にかけて、3万台台前半を中心に一定の販売規模を維持してきた。しかし2024年には販売台数が大きく落ち込み、同期間で最も低い水準となった。この背景には、「Golf」の世代交代期における販売の谷間や、かつてトップ10常連であった「Polo」の存在感低下があると考えられる。また、ID.シリーズをはじめとするEVラインアップについても、市場への浸透が想定より緩やかであったことが影響した可能性が高い。

一方で2025年には販売台数が再び3万台超えの3万1031台まで回復しており、モデル刷新の効果が現れている。

Audiについても、モデルサイクルと商品戦略の影響が販売台数に色濃く表れている。2023年には約2万4000台まで販売を伸ばし、期間中のピークを記録したが、翌2024年には減少に転じた。「Audi A3」や「Audi Q3」といった主力モデルの更新タイミングに加え、EVシフト期におけるラインアップの過渡期が販売に影響を与えたと見られる。

ただし、Audiは2025年に再び回復基調を示して2万3906台となり、電動化モデルと内燃機関モデルを併存させる戦略の中で、次の安定期に向けた準備段階にあると読み取れる。販売規模そのものはVolkswagenより小さいものの、ブランド特性上、年ごとの振れ幅が大きくなりやすい点はVolkswagenと似ている。

これらVolkswagen/Audiの動きを、Mercedes-BenzやBMWと比較すると、11連続輸入車販売ナンバーワンのMercedes-Benzが5万台前後、BMWが3万5000台前後で比較的安定した推移を示しているのに対し、Volkswagen/Audiはモデル戦略や電動化の進捗が販売台数に直結しやすい構造にあることが浮かび上がる。さらにBMW MINIが小規模ながらも一定のレンジで安定している点と比べても、Volkswagen/Audiの「変動の大きさ」は際立っている。

総じて、2020年代前半の日本市場において、VolkswagenとAudiはともに転換期にあったと言える。特に2024年は両ブランドにとって調整局面となり、2025年はその反動と再構築の年として位置づけられる。今後の販売動向は、EVの本格普及と主力モデルの世代更新がどのようにかみ合うかに大きく左右されることになりそうだ。

モデル別ではGolfが2位に返り咲き Audiは初のトップ5入り

Golfは、2005年以降の長期データで見ても、常に輸入車市場の中心にあったモデルである。世代交代や供給制約の影響で一時的な落ち込みはあったものの、2025年には再び1万台超を回復し、Volkswagenの看板モデルとしての存在感を明確に示した。

2025年順位モデル2025年販売台数2024年順位2024年販売台数
1 →BMW MINI19,146117,165
2 ↑VW Golf11,09336,394
3 ↑VW T-Cross8,095114,632
4 ↓Mercedes-Benz GLC8,06227,047
5 ↑Audi A36,854183,417
6 ↓Mercedes-Benz G-Class6,83275,573
7 ↓Mercedes-Benz GLB6,05646,142
8 ↑BMW X15,607163,617
9 ↑BMW 2 Series4,942134,205
10 ↑BMW X34,933————
17 ↑Audi A54,111————
20 ↓VW T-Roc3,555124.313
JAIAの統計資料をもとに作成

BMW MINIが合算モデルであることを踏まえると、Golfは輸入車市場における「実質的なトップモデル」に返り咲いたと評価できる。これは、複数の派生モデルを持たず、あくまでGolfという単一車名で積み上げた数字である点で、重みのある結果だ。

近年は「T-Cross」や「T-Roc」といったコンパクトSUVが安定して台数を積み上げ、販売構造は分散化しているが、それでもGolfが軸であることに変わりはない。2025年の結果は、Volkswagenが依然としてGolfを中心に量的安定を築いていることを示している。

2005年以降、Poloは長らく輸入車モデル別ランキングのトップ10常連として存在感を示してきた。コンパクトハッチバックが輸入車の主戦場だった時代において、PoloはGolfに次ぐ人気モデルだった。

しかし近年は、トップ10圏外に位置づけられる年が増え、存在感は明らかに低下している。この変化は、Polo固有の商品力低下というよりも、コンパクトハッチバック市場の縮小、SUVへの需要シフト、輸入車価格帯の上昇によるエントリー層の変化といった市場構造の変化が反映された結果といえる。現在のVolkswagenにおいて、エントリーモデルとしての役割はT-Crossが担い、Poloはやや存在感が薄れている。

Audiは、2005年以降の統計で見ると、これまでトップ5に入ったことがなかったブランドである。Audi A3や「Audi A4」といった主力モデルは中位で安定していたが、トップ層には届かなかった。

その構図が変わったのが2025年だ。Audi A3が初めてトップ5入りを果たし、またAudi A4と「Audi A5」を統合した新型「Audi A5」もランキングに登場した。

新型Audi A5は、Audi A4との統合でSedanとAvantに集約され、従来のCoupeやSportbackは廃止された。ランキング入りは、Mercedes-Benz C-ClassやBMW 3 Seriesのライバルとして、再び注目を集めていることを示している。

2026年、ニューモデルの投入のないVolkswagen、新型「Audi Q3」と新型「Audi A6」の導入が控えるAudiがそれぞれどんな販売戦略で日本市場に挑むのか、その動きを見守りたい。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen Japan)
※本記事はJAIAの統計資料などをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。