フォルクスワーゲンは2025年9月9日から14日までドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ2025」のコンテンツのひとつとして、ミュンヘン中心部で開かれる「IAAオープンスペース」にブースを出展する。ここでは、電気自動車を含む4つのニューモデルが披露されるほか、GTI誕生50周年を記念した特別モデルや歴代展示も行われる。

都市の中心で体感する「モビリティの未来」

フォルクスワーゲンは、2年前のIAAモビリティ2023と同様に、誰もが自由にアクセスできるオープンスタンド型の展示を行い、来場者が直接触れ、対話を通じてブランドのビジョンを共有できる空間を目指す。販売・マーケティング担当取締役のマルティン・ザンダー氏は「オープンスペースでの展示は、革新的なモビリティと感情に訴える製品、そして顧客への揺るぎないコミットメントを象徴する」と語り、展示を単なる自動車ショーではなく「未来のモビリティを体感する舞台」と位置づけている。

最大の注目は、オデオン広場で世界初公開されるコンパクトSUVスタイルのEVのスタディだ。このモデルはフォルクスワーゲンのID.ファミリーに新たに加わる予定で、量産版はグループのコアブランドが進める「エレクトリック・アーバンカー・ファミリー」を完成させる位置づけとなる。技術開発担当取締役のカイ・グリュニッツ氏は「欧州市場におけるエントリーモビリティを担うフル電動モデルであり、T-Crossクラスに相当する」と説明。市場投入は早ければ翌年を予定しており、デザイン、品質、操作性、スペース効率の面で新基準を打ち立てるとしている。

さらに、フルモデルチェンジを受けた新型「T-Roc」も展示。都市型SUVとして人気を博してきた同モデルは、デザインや装備を刷新し、次世代の主力車種として存在感を示すことになりそうだ。

もう一つの話題は、スポーツウェアブランド「BOGNER FIRE+ICE」とのコラボレーションによる「ID.3 GTX FIRE+ICE」である。240kWを発揮する高性能EVとして設計され、1990年代の名車「Golf II Fire and Ice」と並んで展示される予定だ。かつてのカルチャーアイコンと現代の電動GTXを対比させることで、ブランドの進化を来場者に体感させる狙いがある。

また、ニュルブルクリンク24時間レースで初披露された「Golf GTI EDITION 50」も登場。最高出力239kW(325PS)を誇る史上最強の量産GTIであり、GTI誕生50周年を祝う記念モデルとなる。会場では「GTIヒストリーウォール」も設置され、これまでの進化の足跡を振り返ることができる。

フォルクスワーゲンは、車両展示に加え、参加者が主体的に関われる体験型コンテンツを多数用意する。レーシングシミュレーターやAIを活用したパーソナル体験、未来素材を紹介する「フューチャー・マテリアルズ・ラボ」など、幅広い年齢層が楽しめる仕掛けが揃う。さらに、来場者は「発見ラリー」を通じて遊びながらブランドの世界を学ぶことも可能だ。

加えて、展示空間は可能なかぎりバリアフリーに設計されている。床誘導システムや点字、コントラスト文字による案内、手話通訳付きステージプログラムなど、多様な来場者に配慮した取り組みが導入されている。

会場では音楽ライブや講演も行われる。アーティストによるコンサートに加え、スポーツとモビリティに関する基調講演、音楽家ペーター・マファイ氏らを招いたトークセッションも予定されている。また、名物の「フォルクスワーゲン・カリーヴルスト」や無料のメリッタコーヒーといった飲食も提供され、ドイツの自動車文化とライフスタイルを融合させたスペースになるはずだ。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Volkswagen AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。