前回レポートしたタイヤ交換に続く5回目ではバッテリー交換などについてレポートします。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

前回のレポートからちょっと間が空いてしまったのですが、我々のPassatはいたって快調な日々を過ごしています。

オイル、タイヤ交換から約2000kmを後にしましたが、エンジンはオイルをFUCHS GT1 PRO C-3への交換を機にメカニカルノイズが減って、余計なフリクションを感じることなくシュンシュン回るのは今も変わっていません。合わせてREWITEC POWERSHOTとデフに注入したREWITEC G5が効き始めた感じでとても滑らかな走りが感じられます。

タイヤはコンチネンタルのスポーツタイヤのMaxContact MC6からUltraContact UC7に交換しましたが依然として静かで、雨の中でも十分なグリップ力を発揮します。個人的にはUC7に交換して良かったと思っています。

とにかく静かで剛性感があり、ドライ、ウェットどちらでもしっかりとしたグリップ力があるタイヤです。溝の中にも小さな突起物があって、音波をより小さな周波数に分散することで静粛性をもたらす「ノイズ・ブレーカー3.0」が効いているようです。

VARTAをチョイス

パサートを購入した直後にmaniacsさんで診断していただいたときからバッテリーの交換時期であることはわかっていました。交換までの間は電流計を当てては充電をして誤魔化していました。

元々ついていたのはVARTAのSILVER DYNAMIC AGMというVARTAのフラッグシップモデルです。VARTAといえば、ドイツのバッテリーメーカーで欧州車乗りは誰でも知っているメジャーブランド。新車装着率の高さが示すとおり、その性能の高さは折り紙付き。ドイツの「Auto Bild」でも定評があります。ちなみに「VARTA」の読みかたですが、ドイツ語でファルタ、英語圏でヴァルタ(バルタ)が近いそうです。

前回が2020年3月、64,540kmでの交換だったので、そこから4年と約30,000kmを経過しての交換となりました。安いものではないので、交換にあたってはさまざまなメーカーのものを検討しました。

結果的には個人的に15年以上AGMバッテリーユーザーで、その断トツの性能を知ることもあり、同じVARTA SILVER DYNAMIC AGMを選びましました。

前回の品番はG14で今回がLN5です。調べたところG14はドイツ製でLN5は韓国製とのこと。販売エリアで分けているのかもしれません。なおボッシュのAGMはVARTAがOEM供給しているそうです。

AGMバッテリーの良いところは、長期間一定性能を保つところにあります。ライトが暗いとかスターターモーターが弱いとかの症状が出ないので、今回のようにバッテリーの寿命が来ていても性能は変わらないので、診断して初めて替え時だとわかります。

AGMバッテリーについて

AGMバッテリー(Absorbent Glass Mat)はその構造から、従来のバッテリーに比べて優れたコールドスタート特性を持ち、頻繁なエンジン始動と停止に耐えます。さらに、3倍の充電サイクルを持ち、液漏れ防止でメンテナンスフリーです。新車の10台中7台がアイドリングストップが搭載されている昨今、そのほとんどの車両にVARTAのAGMバッテリーが装備されています。腐食に強く、長寿命なVARTAのAGMバッテリーによって、VARTAは自動車業界でナンバーワンのバッテリーサプライヤーとなっています。

VARTAとは

VARTAは、主要自動車メーカーと協力して開発され、長寿命で腐食に強いバッテリーを提供する信頼のブランドです。欧州車搭載実績No.1で、ドイツの「Auto Bild」誌の調査でも、最も信頼されるカーバッテリーブランドとして選ばれています。VARTAのバッテリーは、高品質な製造基準を満たし、リサイクル率も非常に高いです。Clariosによって支えられたVARTAは、あらゆる車種に対応する最適なエネルギーソリューションを提供し、信頼性と安全性を保証します。

燃費は7km/L程度

Passat V6 4MOTIONに搭載されているエンジンは当初「VR6」と呼んでいました。これは、VがV型エンジン、Rがドイツ語で直列エンジンを意味するReihenmotorの頭文字から付けられているというのはご存じでしょうか。まさにV型と直列型のいいとこどりというわけです。また、狭角V型エンジンの発祥は、1920年代から1960年代にかけて生産されたランチアの「staggered-four」V型4気筒エンジンと言われています。

3.2L V6エンジンの余裕のトルクで、走行速度に関わらず優雅な走りを見せてくれるのは運転していてとても楽チンです。さらに直6的な挟角V6が右足に呼応して欲しい時に欲しいだけのパワーをもたらすため、常に先を読んだ運転をすることができるので安全運転につながります。

ただし、大排気量の4WDだからか、燃費は褒められたものではありません。平均すると7km/Lほどなのでガソリン代が上がった今ではとても辛いところです。高速道路では10km/Lを越えますが、どんなに頑張っても12km/Lは越えません。トルクがあるので7速が欲しくなります。あと、Passat V6 4MOTIONには6速DSGが採用されているのですが、これが日本の交通事情に合っていないようで、低速走行時にギクシャクします。

このDSGには乗り方のコツがあるとVW/アウディのスペシャリストであるmaniacsさんに教えていただきました。DSG(Direct Shift Gearbox)その名のとおり、クラッチレスマニュアルトランスミッションと捉えて乗れば、スムーズかつ故障しない運転ができるのです。それ以来とくに発進時には気を付けるようになりました。

さて、購入後約4,000kmを走っての感想ですが、フォルクスワーゲン独自の挟角V6エンジンというユニークなパワーユニットとFF、FRよりも優れた運動性能をもたらす4MOTIONの秀でた高性能、広い室内とやたらと大きいトランクルームを持つ車が40万円そこそこで買えて、存分に楽しめるという意味ではとても良いクルマだと思っています。「下駄車」なら「ポロ」などの経済的なクルマがたくさんありますが「足車」には、たとえ経済性を犠牲にしても運転して楽しく、買い物からロングドライブ、スポーツ走行、悪天候も気にならない広い守備範囲を求めたくなりますよね。

次回以降ではヘッドライトレンズのクリーニングなどのモデファイとmaniacsさんにお願いした車検整備についてレポートします。

(Text & Photos by Auto Bild Japan)