マイナーチェンジした「Golf」のなかから、2.0 TDIエンジンを搭載し、装備充実のお買い得グレード「Golf TDI Active Advance」をチェックする。

ほしい装備がほぼ揃う人気のグレード

Golf8のマイナーチェンジ版、いわゆる“Golf8.5”は、より直線的なデザインになったヘッドライトや新デザインのテールライトなどを採用したことに加えて、フロントグリルにイルミネーション付きのVWエンブレムを初めて採用。一方、室内は、ダッシュボード中央のタッチパネルがこれまでよりひとまわり大きな12.9インチとなり、操作性の向上が図られるなど、見どころは盛りだくさんだ。

最新版Golfの概要は上のニュースをご一読いただくとして、今回試乗したのは、2.0 TDIエンジンを搭載するグレードのなかでも、ほしい装備がほぼ揃い、しかも価格も魅力的なGolf TDI Active Advanceだ。

TDI Active AdvanceTDI Style
車両本体価格454万8000円463万8000円
テクノロジーパッケージ標準オプション(17万6000円)
Discoverパッケージ標準オプション(22万円)
ラグジュアリーパッケージ設定なしオプション(25万3000円)
イルミネーション付きVWエンブレム標準標準
キーレスアクセス標準標準
シート素材ファブリックマイクロフリース
レザーシート設定なしオプション(34万1000円)
タイヤ225/45R17225/45R17

上の表に示したとおり、Golf TDI Active Advanceは、純正ナビゲーションの“Discoverパッケージ”と、LEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”などを含む“テクノロジーパッケージ”が標準で装着されているにもかかわらず、上位グレードのGolf TDI Styleよりも車両本体価格が低く設定されている。

一方、Golf TDI Active Advanceでは、電動パノラマスライディングルーフやプレミアムサウンドシステムが含まれるラグジュアリーパッケージや、レザーシートが選択できないという制約があるが、これらの装備が不要という人にとっては、Golf TDI Active Advanceは実にお買い得なグレードということになる。

最新のインフォテインメントシステムは使い勝手が向上

さっそく運転席に座ると、マイナーチェンジによりリニューアルされたコックピットに目を奪われる。センターのタッチディスプレイが12.9インチに拡大されてタブレット型になり、これまでより手前に配置されるため、見やすいうえに手が届きやすいのがいい。

ディスプレイのサイズが大きくなったぶん、直接アクセスできるメニューが増えたのも見逃せない。たとえば、ドライビングプロファイルやアシスタンス、車両設定などのメニューがコントロールパネル上段のソフトスイッチで簡単に呼び出せるようになり、シートヒーターの温度設定もいちいちメニューを開かなくて済むのもありがたい。

モニター下部にはエアコンの温度設定と音量調節用のタッチスライダーが残っているが、以前はイルミネーションがなく、夜間の操作がしにくかったのに対して、この部分にイルミネーションが追加されたことで夜間でもストレスなく使えるようになったのもうれしいところだ。

シートはシンプルなデザインで、ファブリックで覆われる。座り心地も良いが、上位グレードのStyleに比べると、クッションがやや薄く感じられるのがすこし気になった。

頼りになる2.0 TDIエンジン

Golf TDI Active Advanceには、最新の2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンが搭載され、スペックは最高出力110kW(150ps)/3000〜4200rpm、最大トルク360Nm(36.7kgm)/1600〜2750rpmを誇る。これに湿式多板クラッチ式の7速DSGが組み合わされ、前輪を駆動する。

さっそく走らせると、ディーゼルエンジンとしては、ノイズや振動がしっかりと抑え込まれているのがすぐにわかる。低速での加速こそノイズが耳に届くが耳障りな音質ではなく、スピードが上がればほとんど気にならないレベルである。

一方、TDIの魅力といえば力強い加速が挙げられるが、もちろんこの2.0 TDIも低回転から余裕あるトルクを発揮し、2000rpm手前から力強さを増す。アクセルペダルの動きに即座に反応し、街中では実に運転がしやすい。アクセルペダルを踏み込めば4000rpm超まで勢いが続く。とはいえ、高速道路の合流や追い越しといった場面であっても、アクセルペダルをさほど深く踏み込まなくても余裕ある加速がもたらされ、たいていの場面で2500rpmも回せば事足りてしまうのが2.0 TDIの頼もしい点だ。

気になる燃費だが、Golf TDI Active Advanceのカタログ燃費は、WLTCモードが20.8km/L、市街地モードのWLTC-Lが14.8km/L、郊外モードのWLTC-Mが21.2km/L、高速道路モードのWLTC-Hモードが24.8km/Lという数字だ。これに対して、別の機会にチェックした燃費は、ACCを使って高速道路を約100km/hで巡航したときが27.1km/L、比較的空いた一般道を丁寧なアクセルワークで走ったときが25.6km/Lをマークしている。都心でも15km/L前後と、その低燃費には呆れるほどだ。

バランスのよい足まわり

Golf TDI Active Advanceの走りは、実にバランスのとれた、好ましいものだった。タイヤと路面とのコンタクトに多少ざらつきがあったのがすこし気になるものの、フォルクスワーゲン車らしい多少硬めに味付けられたサスペンションが、落ち着いた安定感のある走りを示し、高速道路の挙動もフラットな印象。乗り心地はマイルドかつ快適で、目地段差を通過する際のマナーもまずまずだ。

Golfにはグレードによりサスペンションやタイヤが異なる。Golf TDI Active Advanceの場合、サスペンションは標準仕様で、リヤが4リンク、タイヤが17インチであり、この組み合わせがバランスの良い走りを生み出している。

eTSI ActiveTDI Active AdvanceeTSI/TDI StyleeTSI/TDI R-Line
サスペンション前マクファーソンストラット
サスペンション後トーションビーム4リンク(マルチリンク)
サスペンション仕様標準スポーツサスペンション
ステアリング標準プログレッシブステアリング
タイヤサイズ205/55R16225/45R17225/40R18

ハンドリングについては、R-Lineがクイックなステアリングレシオのプログレッシブステアリングを搭載するのに対して、これが装着されないTDI Active Advanceではスポーティな演出こそないが、4リンクリヤサスペンションが装着されるおかげで、ワインディングロードを走行する場面では素直で軽快なハンドリングを見せ、実にドライブが楽しい。

力強いエンジンと、気持ちの良い走り、そして、優れたコストパフォーマンス。そんなGolf TDI Active Advanceは、ラインアップで一番のお勧めグレードといえるだろう。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)