13,000kmしか走行していない希少な「Golf R32」(2004年)が販売中。その売値は新車価格をはるかに超えているが、コレクターズアイテムとして最適だ!
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
この車はアメリカ仕様で、アメリカからギリシャへ渡って新車登録され、ドイツに帰って来た。
Golf4 R32は、当時のフォルクスワーゲン最高責任者フェルディナント・ピエヒが世間をあっといわせようと企画したクルマだ。当初、このトップモデルは5,000台の小規模なシリーズとして計画されていたが、2年間の製造期間の終わりには、約12,000台のGolf4 R32が生産された。
これはおもにアメリカからの大きな関心によるものだった。北米市場だけで約5,000台が販売され、ドイツ国内では約7,000台のGolf4 R32が販売された。6気筒Golfはいまではコレクターズアイテムとして人気があり、コンディションの良いクルマでは4万ユーロ(約660万円)以上の価格が付けられることもある。新車価格は3万1950ユーロ(約530万円)だった。
レムス製エキゾーストシステムのバルブ制御は、負圧を利用して作動し、VR6特有のサウンドを奏でる。
その特徴は、ワイドボディ、フロントの大型エアインテークを備えた専用バンパー、R32特有のサウンドを奏でるバルブ制御付きデュアルブランチ レムス製エグゾーストシステム、18インチのOZ製マルチスポークホイール、そして車高を20mm下げたスポーツサスペンションなどだ。初代Golf R32の成功により、フォルクスワーゲンはGolf5のR32バージョンを生産した。
VR6エンジンは241PSを発生
しかし、最大のハイライトはボンネットの下に隠されている。というのも、このクルマには平凡な4気筒エンジンではなく、伝説のVR6エンジンが搭載されているからだ。この特徴的な6気筒エンジンは、当初2.8L、204PSでGolf4 2.8 V6に搭載されていた。その後R32という名称が示すように、3.2L、241PS、320Nmを発揮するエンジンに進化した。このパワーを無駄にしないよう、4MOTIONの4WDが採用され、6速マニュアルまたは6速DSGギアボックスを選択することができた。
Golf4 R32は0-100km/h加速を6.6秒(DSG搭載車は6.4秒)で駆け抜け、最高速度は247km/hに達した。これは2002年のコンパクトスポーツカーとしては素晴らしい数値だ。
発表から23年近く経ったいま、Golf4 R32を自分のものにしたいと考える人は、相当の予算を用意する必要がある。Golf4 R32は3ドアまたは5ドアモデルとして生産ラインから送り出されたが、5ドアモデルは生産台数がさらに少なかったため、コレクターの間ではより人気が高い。そして、中古車市場での供給量は非常に限られていて、走行距離30万km以上で、メンテナンス、修復履歴不明のクルマで、価格は約1万5000ユーロ(約250万円)からとなる。信頼性の高い車は2万5000ユーロ(約415万円)からだが、コンディションの良いクルマを見つけることができるかが一番の問題だ。なにしろGolf4 R32は、チューニングパーツで改造されたものが多かった。
市場で最も高価なGolf4 R32
このGolf4 R32は事故歴なし、オリジナル塗装、即使用可能な状態だ。その価格は5万6900ユーロ(約950万円)で、これはドイツ市場で最も高価なGolf4 R32だ。欠けているハブキャップ(助手席側リア)も価格に含まれているはずだ。
ケーニッヒ製スポーツシートにはダブルステッチが施されている。サンルーフも標準装備。このGolf4 R32はマニュアルトランスミッションだ。
結論
走行距離の少ないオリジナルのGolf4 R32を見つけるのは非常に難しい。この個体では、走行距離はわずか13,700kmだが、逆輸入車であるという事実を嫌がる人もいるだろう。コレクターズアイテムを投機目的で手に入れたいなら、ほかのGolf4 R32を探した方が良いだろう。このクルマのような無傷のGolf4 R32が見つかる可能性は極めて低いが。
(Text by Jan Götze / Photos by Autohaus Route66 Apostolos Saratzidis)