■Passat ■SIKU (W-Germany) ■77.5mm
カッコいいですね、新型Passat。
B9、つまり9世代目。
Passatも、すでに50年超の歴史があるのです。
初代(B1)は1973年に登場。
Golfの一年先輩です。
当時、VWは空冷ビートルからの脱却を図り、モダンなFFレイアウトを採用した新世代モデルの開発に躍起になっていました。
この流れの中で生まれたのがPassatで、アウディ80をベースにしながら、VWらしい実用性を重視したデザインと広い荷室を備え、かのG・ジウジアーロによって伸びやかでシンプルなエクステリアを与えられました。
Variantは、そこから2年遅れの1975年にデビュー。
このミニカーは、ドイツSIKU製で、クリーンでスクエアな実車のボディをかっちりと仕上げています。
SIKUのミニカーは、シャシーにスペックが刻まれているのですが、それによるとこのPassatは1500cc / 85PS / 170km/hとあります。
「Made in W-GERMANY」という刻印も時代を感じさせます。
ヘッドライトは角形。
汎用に使える丸いライトよりも、角形の方が製造コスト等が高くなるため、上級グレードに採用される傾向がありました。
このとき、ジウジアーロは同時にGolfを開発していた訳ですが、最後まで角目にこだわっていたそうですね。
それを、ビートルからのアイコンの継承だ、と言ってウォルフスブルクの首脳陣が丸目で押し通したのは、私個人としては良かったなぁ、などと思ったり。
さて、世界各地から少しずつ集まってきたこのSIKU Passat、並べてみると、グリーンの方は内装色やホイールが違っていたり、ポリツァイ(警察)仕様は、ボンネットに印刷されたアルファベットややウィンドウの色が違っています。
でも、ルーフ上の数字は同じ。
いろいろ細かな謎がありますね。
実車は、ドイツの街角で目にしたことがありますが、日本国内では見かけたことがありません。
正規輸入はされていたので、どこかには眠っているのではないかと思いますが・・・。
なお、新型Passatにはセダンの設定はなく、Variantだけになってしまいました。
時の流れを感じずにはいられません。
das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。