■Golf GTI ■Yonezawa Toys(Japan) ■1/28 ■DIAPET

今回のGolfは、made in Japan、純然たる日本製です。

ダイヤペット、という響きとロゴに懐かしさを覚える方は同世代とお見受けします。

子どもの頃、オモチャ屋さんのショーウインドウに並べられたミニカーたちの、その紙箱に誇らしげに入っていたこのロゴは、トミカよりもオトナな雰囲気の「なかなか買ってもらえないミニカー」の証でした。

もっとも、その頃は、Golfのミニカーよりも、カウンタックの方が圧倒的に欲しかったのですが。

「ダイヤペット」というミニカーブランドは、現在に至るその長い歴史の中で幾度か親会社が変わっており、このGolfはヨネザワ玩具時代の製品です。

歴史を紐解けば、初の国産ミニカーを生み出した大盛屋(たいせいや)にその端を発し、凝りすぎた製法で倒産してしまった大盛屋から金型を引き継いだヨネザワが1965年(昭和40年)に発表したプリンス・グロリア DXがダイヤペットの第一号モデルだったそうです。

そこから十数年を経たスーパーカーブームの最中に初代Golfがラインナップされたのは目の付けところがシブいと言わざるを得ません。

ノーマル仕様も存在しますが、今回取り上げるのはラリー仕様のGTI。

このゼブラ模様のGolfは、1970年代後半のモンテカルロラリー出走車を再現しているようです。

ようです、というのは、私もリアルタイムで知っていた訳ではないので色々な資料を見る訳ですが、ドンピシャに同じ仕様の写真が見つかりません。

当時私は10歳くらいでしたけど、このカラーリングのGolfのことは知りませんでした。

その頃は、アルピーヌ・ルノーやランチア・ストラトスなどが活躍していた時代なので、子どもだった私の関心もGolfよりそうしたスーパーカーに奪われていたと想像できます。

古い資料を見てもこのゼッケン2号車は見つからないのですよね・・・これはミニカー化の時の仮想ゼッケンなのでしょうか。

そして、ミニカーには白とベージュの2種類があるのですが、実車はどうも白ベースのみのように見えます。

フロントバンパーのメッシュガードも、当時の写真を見ても同じような形状のものは見つかりませんが、カストロール、ボッシュ、ピレリにシビエなど実在するブランドロゴも貼られているところを見ると、ちゃんと考証はされていそうだなぁ、とも思えます。

スケールは、1/28というちょっと珍しいサイズ。

がっしりしたダイキャスト製ボディで重量感があり、ドア・ボンネット・そしてリヤゲートまで開くのが玩具っぽくて味わい深い。

エンジンルームの中は、あっさりしていますが、きちんとGolfの4気筒エンジンの特徴が再現されています。

ヨネザワ玩具の日本製Golf GTI、なかなか貴重な一品です。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。