約1年半ぶりにGolf8がある暮らしに復帰して、あらためてコックピットの気になるところをチェックしました。
以前、Golf eTSI Styleを所有していたときのGolf8の印象は、「走りもいいし、燃費もいい。クルマとしての出来はいいだけに、タッチスイッチとナビゲーションが使いにくいのが惜しい」というものでした。Golf GTIもコックピットのデザインは基本的にGolf eTSI Styleと同じだけに、その印象は変わりません。
一番苦手なのが、中央のタッチスクリーン手前にあるタッチスイッチ類で、タッチスクリーンを操作しているときにスイッチに触れて急に大音量になったり、エアコンの温度を変えるにもイルミネーションがないので夜間操作しにくいなど、使うたびに不満が募ります。それだけに、マイナーチェンジでタッチスイッチにイルミネーションがついたのはまさに朗報でした。
純正ナビゲーションシステムは、目的地がうまく見つからないのと、高速走行時にインターチェンジやサービスエリアなどの情報がリスト表示されないのが不満でした。そこで、Golf GTIでは、純正ナビは使用せず、ID.4同様、CarPlayのナビアプリを使用しています。私が使っているのは「カーナビタイム」というアプリで、目的地が見つけやすいのと高速のリスト表示があるので重宝していますし、これによりナビの不満はほぼ解消しました!
CarPlayで使うには有料(プレミアムプラスコース:月額1200円)ですが、ID.4と共用なので、むしろGolf GTIに乗っているときでも使わない手はありません。
Golf eTSI StyleとGolf GTIではステアリングホイールのデザインが異なり、マルチファンクションスイッチがGolf eTSI Styleは物理スイッチであるのに対して、Golf GTIではタッチスイッチになります。「ステアリングホイールのタッチスイッチが使いにくい」という声によって、マイナーチェンジ後はGolf GTIなども物理スイッチを採用しますが、個人的にはステアリングホイールに関してはタッチスイッチが使いにくいと思ったことはありません。確かに、左側の下にある音量スイッチをスライド操作するのはやりにくいのですが、スライドではなく両端を押す操作ならまったく問題ありません。
ちなみに、私が好きなメーターのレイアウトは、中央に大きく回転計が表示されるこのパターン。左右に温度表示とブースト圧を表示させると、さらにスポーツカーっぽくなります(笑)
ステアリングホイールのスイッチよりも、ぜひ改善してほしいのがシフトレバーです。スイッチが小さいため、手探りで探し当ててレバーを引いたら、EPS(電動パーキングブレーキ)のレバーだった、なんてことが過去にありました。
エアコンにも不満があります。エアコンの吹き出し口が低い位置にあるので、冷たい風を強くしようとしても、ステアリングホイールを握る手ばかりが冷えてしまいます。さすがにこれはマイナーチェンジで改善されず、次のフルモデルチェンジに期待するしかないですね……。
期待が外れたのが、センターコンソール奥にあるスマートフォンワイヤレスチャージング。Golf GTIの場合、この部分に蓋が付くので、スマートフォンを充電している状態でも蓋を閉めればその上に小物が置けて便利……のはずでした。ところが、私が使っているiPhone15 Pro Maxにケースを付けた状態ではうまく充電できないのです。CarPlayはワイヤレスで使いたいのに、充電のためにわざわざスマートフォンとUSB端子をケーブルでつなぐのも癪なので、結局、ワイヤレスチャージングができるスマートフォンホルダーを購入しました。
そんな細かい不満はありますが、クルマとしてはGolf eTSI Style以上によくできているし、もちろん走りも楽しいGolf GTI。乗るたびに「いいクルマだなぁ」と感じています。
(Text by Satoshi Ubukata)