■Caddy ■Solido(France) ■1/43

わたしは、初代Golfが好きなんですが、その亜種であるこの「Caddy」も、同じ顔をしているからか以前よりずーっと気になっています。

生物学で言う亜種は、種の下の分類単位で、地域による差が認められる場合に言うらしいですが、このCaddy(RabbitPickup)は生まれが北米。

Golfというドイツ生まれの種の下に分類される、と言う関係性からして、やはりGolfの亜種と言えるかも。

Caddyは、1978年に北米で生産開始、1983年から欧州市場に導入されました。

ご覧の通り、前半分はほとんどGolfです。

当時のカタログにも「トラックなのに、乗用車の乗り心地」という謳い文句があるので、全体がラダーフレームに載った通常のトラックよりは快適なオシゴト車だったのでしょう。

実は、フォルクスワーゲンでの車両分類も、商用車ではなく乗用車なのです。

姿はどう見てもトラックですが、VINコード(車両のIDみたいなもの)は、Golfなどと同じ「WVW」で始まり、それは「乗用車」であることを示しています。

そんなCaddyの1/43モデルをフランス・ノレヴ社が製品化。

ノーマル車ではなく、ちょっとカスタムされた印象のCaddyで、フロントバンパーとミラーはメッキ仕様、リヤはバンパーレス、大径のメッシュホイールを履いて、おそらく、水色のボデイカラーも純正色ではなさそうです。

同じブランドからノーマル仕様も出ていて、こちらはしっとりした働くクルマの佇まい。

キャビン後ろ側の窓は、両車とも、フラットなものからバブルウィンドウという立体的なものに替わっています。

実車に乗ってみると、フラットな窓はシートのリクライニングに余裕がないので、このバブルウィンドウが欲しくなりますね。

同スケール、似たような色の初代Golfがあったので並べてみます。

Caddyのドアは、4ドア仕様のサイズですね。

長く見えるホイールベースは、実際、Golfより225mm延長されています。

先月訪れたウォルフスブルクのVW博物館では、Golf 50th特別展の中にしっかりとCaddyコーナーもあって、亜種としての存在感を放っていました。

展示されていた実車、シルバーのCaddyは、荷台部分にバー?レール?が追加されていて、サーフボードそなど積めそうで格好いいです。

気になりすぎて、ミニカーと1/1の境目が曖昧になった私は、昨年、とうとうCaddyの個人輸入を敢行しました。

レストアのために分解していく過程でわかったのは、ほぼGolfなのに非常に細かな作り分けがされていること。

例えば、フロントタイヤとステアリングのジョイントが、一見同じに見えて、Golfのものよりゴツく頑丈に作られていたのです。

おそらく、最大積載量が大きいからだと思いますが、フォルクスワーゲンの真面目さを垣間見た思いです。

1/1は、目下フルレストア中…Caddyの再生を見守っていただけると嬉しいです。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。