1989年、「Golf2」をベースに、“Gラーダ”と呼ばれるスーパーチャージャー付きの1.8Lエンジンと、4WDの“シンクロ”により、スポーティな走りを実現したのが「Golf G60 Limited」だ。
1989年に登場したGolf G60 Limitedは、パワフルなエンジンと4WDを組み合わせたスポーツモデルだ。
“Gラーダ”と呼ばれるスーパーチャージャー付きの1.8L 直列4気筒エンジンは、もともと「Corrado G60」に搭載されたものだが、Golf G60 Limitedに移植されるにあたり、2バルブのSOHCから4バルブのDOHCに変更され、最高出力は160PSから210PSに高められた。
さらにFFのGolf2は、ビスカスカップリングを用いてシンクロと呼ばれる4WDに変更。252Nmのトルクを余すところなく路面に伝えることで、0-100km/h加速は7.4秒、最高速230km/hをマーク。「Porsche 944 S2」に並ぶパフォーマンスを手に入れることになった。
フロントグリルに配されたブルーのラインとフォルクスワーゲン・モータースポーツのバッジが、標準モデルとの違いを控えめに示すGolf G60 Limited。生産台数はわずか71台で、Volkswagen Classicが所蔵するのは13番目の個体である。
フォルクスワーゲンは、Golf4時代の2003年に、Golf GTIを上回る高性能エンジンと4WDを搭載した「Golf R32」を発表。Golf G60 LimitedはGolf Rシリーズの起源として、色あせない魅力を放っている。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Classic)