2024年6月26日、フォルクスワーゲンは「Golf R」のマイナーチェンジを発表した。ドイツでは7月3日から先行販売がスタートする。

2024年1月に現行モデルのマイナーチェンジ版である「Golf 8.5」が登場し、その後、「Golf 8.5 GTI」や「Golf 8.5 GTI Clubsport」がヴェールを脱いだ。そして今回ついに最上級グレードの「Golf 8.5 R」と「Golf 8.5 R Variant」がワールドプレミアを果たした。

最新版となるGolf 8.5 Rでは、ベースモデル同様、ヘッドライトのデザインが変更されたことに加えて、フロントのVWエンブレムにイルミネーションが付くなど、マイナーチェンジ前のバージョンとの差別化が図られている。前後バンパーやリヤコンビネーションライトなどのデザインがリニューアルされたことなどにより、そのエクステリアはさらにスポーティな印象になった。

オプション設定される19インチ鍛造アルミホイール「Warmenau」は1本あたりの重量がわずか8kgに抑えられており、ブレーキローターの冷却に有利なデザインも注目だ。

コックピットはダッシュボード中央のコントロールパネルが変更され、これまでよりひとまわり大きな12.9インチになったのに加えて、空調やドライビングプロファイルなどがコントロールパネル上段のソフトスイッチで簡単に操作できるようになった。モニター下部にはエアコンの温度設定と音量調節用のタッチスライダーが残っているが、イルミネーションが搭載されたことで夜間の使い勝手が大幅に向上している。生成AIの「ChatGPT」を組み込んだ「IDA」音声アシスタンスの利用も可能となった。

搭載される2.0 TSIエンジンは、最高出力はマイナーチェンジ前に比べて10kW(14ps)アップの245kW(333ps)、最大トルクは420Nmを発揮する。現行のフォルクスワーゲンとしては「Arteon R Shooting Brake」と並び、トップ性能の持ち主だ。

2.0 TSIエンジンは7速DSGと4WDの4MOTIONが組み合わされ、最高速は250km/hをマーク。オプションの「Rパフォーマンスパッケージ」を選ぶことで最高速は270km/hまで引き上げることが可能だ。さらにドライビングプロファイルにドリフトとスペシャルが追加される。

マイナーチェンジ前と同様、「Rパフォーマンス トルクベクタリング」が搭載されるのもGolf Rの特徴のひとつ。Golf Rの4MOTIONは、エンジンのトルクをフロントとリヤアクスルに配分するだけでなく、リヤアクスルの左右のトルク配分を自在にコントロールし、コーナリング性能を高めてくれるのだ。DCC(アダプティブシャシーコントロール)は全車に標準装着である。

Golf 8.5 Rのデビューにあわせて、フォルクスワーゲンは特別仕様車の「Golf R Black Edition」を発売する。VWエンブレムをはじめ、Rバッジやブレーキキャリパーなどをブラックとすることで、より精悍な印象となっている。このGolf R Black EditionではRパフォーマンスパッケージが標準装着される。

価格はGolf Rが53,795ユーロ(約915万円)から、Golf R Variantが55,065ユーロ(約940万円)から、Golf R Black Editionが58,440ユーロ(約995万円)からとなる。

(Text by Satoshi Ubukata)