「フォルクスワーゲン Golf2 GTI 16V」:クラシックカーのテスト。Golf2が107psのGTIとして登場したとき、ファンは不平を漏らし、競争相手に追い抜かれた。4バルブテクノロジーを搭載したフォルクスワーゲン Golf GTI 16Vだけが、再び追いつくことができた。改めてフォルクスワーゲン Golf2 GTI 16Vの実力を試す!

1980年代半ばライバルは、129ps(オペル カデットE GSi 2.0i)、130ps(フィアット リトモ130TC)、131ps(ランチア デルタHFターボ)、132ps(フォード エスコート ターボ)といった具合に馬力を上げていった。フォルクスワーゲンは?触媒コンバーターが新型「フォルクスワーゲン Golf2 GTI」の出力を107psまで低下させるのを我慢しなければならなかった。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

また、2代目Golfは初代よりも大幅に重くなった。フォルクスワーゲンのファンは、重くなった「GTI」は「Golf1 GTI」よりも遅く、もたつくと声高に不満を漏らしていた。最悪の批判は、性能は中程度にもかかわらず、初代「GTI」が2代目「GTI」よりも瞬く間に加速するというテスト記事だった。それによって鉄槌が下されることになった。

操作されたGolfの秘密

フォルクスワーゲンの広報担当者だった人物は数十年後、あえてA型試験車のスプリントが少し遅くなるように操作していたことを明らかにした。

この大胆な行動によって、フォルクスワーゲンは行動を起こさざるを得なくなった。もし開発者が過激なことをしなければ、GTIの成功のレシピはすでに終わっていただろう。

Golf2ならではの3輪車!私たちはいつも、後輪が持ち上がる面白いトリックを見せたいと思っている。この16Vはフォルクスワーゲンクラシック所有のものだ。

1983年:4バルブエンジンで反撃の狼煙を上げる

「16V」が解放の一撃となるかと思われた。1983年には早くも、フォルクスワーゲンはIAA(フランクフルトモーターショー)で、シリンダーあたり4つのバルブを持つ4気筒エンジンを発表した。しかし、テスト中に、ところどころが高温になったため、シリンダーヘッドとカムシャフトの駆動を再設計する必要があった。そして1986年、フォルクスワーゲンは139psの「GTI 16V」を発表し、「GTI」ファンは興奮した。あるいは、”やりすぎじゃないか?”と。

現在18歳で、借り物のEカーで街中を疾走している人なら、この質問はまったく理解できないだろう。「日産リーフ」は、軽々と時速100kmのスプリントでGolfを凌駕する。最近では、「16V」の魅力はそのパワーから来るものではなく、むしろその見た目、フィーリング、サウンドから来るものとなった。

GTI 16Vは1986年に触媒コンバーターなしで、139psで登場し、1987年には触媒コンバーター付きで129psとなり、我々はこれをテストした。

GTI 16Vの現在の走り

「Golf GTI」のエンジンはそれ自体、それほどエキサイティングではない。私たちは129psの触媒コンバーター仕様に乗ったが – 1000rpmから不満なく、スムーズかつリニアに6500回転まで引っぱる。サウンド的な魅力はあまりないが(この点ではまた日産リーフに似ている)、集中した高速走行には完璧だ。

BBS製15インチクロススポークホイールは833マルクの追加料金。ブラックのホイールアーチモールディングがGTIの証。

サスペンションは固めでドライなセッティングで、クルマはときどき横軸を中心に傾くが、揺れはゼロ。素晴らしくスポーティでありながら、サスペンションは可能な限りの快適性を提供する。当時高額だったレカロのスポーツシートも、その要求に応えている。ステアリングは正確無比だ。

レゴのコックピット、スポーツステアリングホイール、高いシートボルスター、チェック柄ではなく赤いストライプのシート表皮、Golfボールではなく革製のギアノブ。

ゴルフボールはどこ?

ルックスは?フォルクスワーゲンはラジエーターグリル周りの赤いフレームとリアウィンドウ周りの黒いフレームは初代「GTI」から引き継いだが、ゴルフボールギアノブとチェック柄のシート表皮は引き継がなかった。

ルーフスポイラーの上に設置されたルーフアンテナは、ファッショントレンドとなった。

フォルクスワーゲンファンは「16V」のバッジ、ブラックのホイールアーチ、クロススポークのアルミホイールに酔いしれた。その後、「Golf4」でコンセプトは再び消滅した。「GTI」は(フォルクスワーゲン曰く)単なる装備ラインに「退化」してしまったのだ。しかし「Golf5」で、GTIは再び特別な存在となった。クラシックはこうして生まれるのだ。

(Text by Frank B. Meyer / Photos by Christian Bittmann/AUTO BILD KLASSIK)