■Mercedes Benz O 321 ■BREKINA (W.Germany) ■1/87

今回はちょっと変わり種をご紹介。

レトロなデザインが素敵なこのバスは「O 321」というモデル。

資料があまり見つからないのですが「Daimler-Benz製」と記しているものがある一方で、このミニカーのシャーシには「Mercedes-Benz」の刻印があります。

実車は1954年に登場、それまでのバスに比べてさまざまなところが「乗用車ライク」だったようで、特徴的なデザインもさることながら、その乗り心地と取り回しの良さで大ヒット作になったようです。

つづら折りで有名なイタリアアルプス山中のステルヴィオ峠のヘアピンでもバックすることなく通過することができたそう。

いろは坂などで四苦八苦している大型バスを思い出すと、なかなかすごいことだと思います。

さて、Golfgangで他メーカーの車両を紹介するにはそれなりの理由があるわけでして、これは、オーストリアの実車Golfコレクター・ヨーゼフにもらったものなのですが、ご覧の通り、ボディの横にはデカデカと「VOLKSWAGEN」の文字が見えます。

”Einen VOLKSWAGEN solte man haben.”

つまり「フォルクスワーゲンに乗るべきだ。」と書いてあるというのが面白い。

オデコの行き先表示窓には“Sonderfahrt”とあります。

英語にすればSpecial Trip、日本語だと…特別運行、的な感じでしょうか。

路線バスをチャーターして企業名入りで運行しているようなものかも知れません。

駅からフォルクスワーゲン工場までのシャトル便のような。

ミニカーメーカーはブレキナ。鉄道模型のHOゲージサイズを中心にさまざまな車種を展開しています。

このバスのシャーシにはW.Germanyの刻印入り。

バスなのでまぁまぁ大きく、乗用車とサイズを比べて見るべく、同じブレキナ製のGolf1と並べてみました。

時代考証的には、このバスの周辺車両は空冷フォルクスワーゲンが妥当なところと思いますが、ブレキナ製品の空冷ミニカーというものを持ち合わせておりませんで、Golfの登場となりました。

丸いバスと四角いGolf、そんなに違和感ない気もしますが、両車のデビュー年にはちょうど20年の開きがあるので、路上で並ぶ機会があったかどうかは不明です。

このような異なるブランドのコラボミニカーは、両方のコレクターが買って売上げ2倍!の効果があるのかも知れません。

フォルクスワーゲン柄のメルセデス、フォルクスワーゲンミニカーではないフォルクスワーゲンコレクションのご紹介でした。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます