2023年12月22日、フォルクスワーゲン グループ ジャパン(VGJ)は、車両火災の恐れがあるとして、現行型「Golf TDI」など、計6512台のリコールを発表した。

リコールの対象となっているのは、2021年以降に輸入された「Golf TDI」「Golf Variant TDI」「Golf GTI」「Golf R」「Golf R Variant」「Passat TDI」「Passat Variant TDI」「Passat Alltrack TDI」「Arteon」で、エンジンルーム内の遮熱マットが正しく取り付けられていない車両があり、熱によりブレーキフルードのリザーバタンクの端部が溶損して、最悪の場合、漏れたブレーキフルードが高温の排気系部品に触れ、車両火災が起きることがあるというものだ。

Golf TDIのエンジンルーム

該当車両については以下のリンクを参照のこと。

このリコールに関連する話題として、2023年8月20日、神奈川県厚木市にあるパチンコ店の立体駐車場で火災が発生し、車両153台が燃えたが、その火元となった車両がリコール対象のGolf TDIであることが厚木市消防本部から発表されている。

VGJは調査に全面的に協力するとともに、2023年12月25日には次のようなステートメントを発表している。

2023年8月20日に厚木市にあるパチンコ店の駐車場で発生した火災事故直後、フォルクスワ ーゲン グループ ジャパンはドイツ本社の専門家と共に、関係当局との調査に全面的に協力し、駐車中に焼損したフォルクスワーゲン ゴルフ TDI を詳細に調査・分析致しました。調査の結果、製品の欠陥を一切特定できませんでしたが、関係当局の当時の見解では、エキゾーストマニホールド(排気管の一部)に付着したエンジンオイルが出火の原因であると推定されました。この見解を含め、弊社グループ内で継続して原因究明のための調査を行った結果、遮熱マットの取付位置の不備に起因している可能性を排除できないことが判明しました。

車両火災の原因については、VGJと消防本部とのあいだで一部見解に相違がある一方、リコール対象車両については不具合発生の可能性があるため、対象車両のオーナーは、お早めにフォルクスワーゲン正規ディーラーへご相談を!

(Text by Satoshi Ubukata)