■Water Cooled VW Miniature car Museum ■All genre

あまり正面から取り上げたことがありませんでした。

vwmm、Water Cooled VW Miniature car Museum。

ドイツのミニカー店のようなドアにしたかった

博物館などと謳ってしまっていますが、オーストリアの実車Golfコレクター、ヨーゼフに出会ってからは、とてもじゃないけど「館」などとは言えません。

よくて博物室、でございます。

水冷フォルクスワーゲンのミニカーに絞った、個人のささやかなコレクションです。

開架棚は落ちても壊れないトミカ的ミニカーたち

空冷ミニカーの世界には凄い蒐集家の先人達がいらっしゃるし、私はGolf好きなので水冷に…。

種類もそんなに多くないだろう、などと軽い気持ちで集め始めましたが、こちらもなかなかの沼でした。

99.9% 水冷VWです

1992、3年から集め始めて、もう30年にもなるなんですねぇ。

台数は途中から真剣に数えるのはやめましたが、5500台くらいになってます。

この部屋の見えてる部分だけで2700程…。

1/87 Autoturm(オートタワー)

以前遊びに来た親戚の子どもたちが一生懸命数えてくれたのです。

水冷は全車種を対象としてますが、やはり9割くらいがGolf。

1/87 Autoturm(オートタワー)制作図面

好きということもありますが、Golfに関しては基本的なカタログモデルは網羅しようと、かなり探し回りました。

400台収容可(実物と同じ)

長らくGolf CountryとRallye Golfがミニカー化されておらず、ここが「ミッシングリンク(生物進化の過程で連続性が欠けたところ)」になっていましたが、それも7、8年前に製品化されて、Golfに関しては全世代、全車種が繋がりました。

コレクションの初期は、インターネットがない!時代。

エレベーターを動かせたらなぁ

まだヤフオクやebayなどのネットオークションも存在せず、もっぱら小さな玩具屋さんや、海外ではフリーマーケットなどに出向き、足で探して集めていました。

そんな頃に知り合った海外在住の友人が、代わりにフリマで買ってくれたり、その内、ネット検索ができるようになって、少しずつ増えてきた感じです。

それでも、この30年の間には、時々「大量仕入れ」の機会があって、旅行でWolfsburgに行ったり、ドイツ中を旅したりした時には何十台、という単位で持ち帰ったこともありました。

ミニカーでいっぱいのスーツケースが空港のX線検査でひっかかり、中を見た係のおじさんが「Only Golf!?」と苦笑したこともありました。

「これは商売なのか?」「いや趣味。Golfだけ扱うミニカー屋さんなんて商売にならんでしょ」。

ある時、スイスのとあるGolfコレクターから「コレクション整理するから買わないか」と打診があって、送られてきた写真のミニカーに丸つけて返して、一気に100台くらい増えたことも。

その人は、「プラスチック製のGolfのミニチュア限定」という、これまた偏ったコレクターでした。

でも、意外と見つからないんですね、そういうオモチャっぽいGolfって。だから嬉々として写真に赤丸つけて返し、それらは、iMacの箱に入って届きました。

宝箱みたいで楽しかったけど、アイツどうしてるのかなぁ…。

他にも、在庫整理だったり、インポーターさんのノベルティだったり、ご関係者の方からいただいたり、と5500台という数字の裏には、たくさんの人の協力やご好意があるのです。

ミニカーが集まるにつれて、色々なご縁も出来、VWディーラーの冊子や、かつてのVWムック本Breeze、かのCAR GRAPHIC、ドイツのVW雑誌”VW Classic”などに掲載いただくなど、とてもありがたい思い出がたくさんです。

GTI コーナー

私にとっては「Golfの形をしていればいい」ので、ミニカーからお菓子のオマケみたいなものから、紙袋やガラス・陶器製の置物まであらゆるGolf Itemが揃っています。

ミニカーと一緒に並べると深みがでるような、エンブレムやノベルティや切手や記念コインなども見つけたら手が伸びてしまいます。

Cabrio や 1/64 scale など

この家を建てる前は、都内のマンションに住んでいて、食堂の入り口にあるようなガラスの陳列ケースを東京・河童橋で買って所狭しと並べてました。

プラ製玩具的 Golf など

日々増殖するミニカーが入り切るわけなく、家を建てようという時には、建築家にその惨状を見ていただき、そのおかげで、すっきり収まるように棚を作りつけた家を設計してもらえたのです。

とても思慮深い建築家の方で、これだけのミニカーがありますが、普通に生活している空間からは見えません。

建築家さんの素晴らしいアイデアで、生活空間と分離された展示室

吹き抜けを覗き込むと、はじめてこの魔窟が展開する構造になっています。

そうでないと、視線がガチャガチャして暮らしにくかろう、ということなのです。

階段の途中から覗ける小窓を設けて そこに歴代Golfを並べています。

階段途中の小窓 Generation Golf

8世代目になっても、まだなんとか並べられていますが、果たしてあと何世代並べられるでしょうか。

日々新車は生まれ続け、ミニカーも当然のように増え続けます。あまり認めたくないけど、これだけの棚もすでに手狭で、困ったものです。

1/10スケールのラジコン。自作のパリダカ出走Tarekには、Jutta Kleinschmidtのサイン入り

100円のオマケみたいなミニカーでも、私よりずっと寿命が長いと考えると、このGolfたちは、ひとときここに集まってるだけで、私はそれを預かっているのだなぁ、と思ったり。

ずっと公開し続けられるような、そんな場所が持てたら最高なのですが。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。