9月のIAA Mobility 2023（ミュンヘンモーターショー）を取材したあと、スイスまで「ID.3」に乗るチャンスに恵まれました。ID.3をドライブするのはこれが初めて！
今回、ドライブしたのは、2023年3月にマイナーチェンジを実施した最新モデル。バッテリー容量が58kWhの「Pro」と77kWhの「Pro S」が用意されていますが、試乗したのは後者です（たぶん）。どらちのグレードにも150kWの電気モーターがリヤアクスルに搭載されます。
最新版は初期モデルに比べてエクステリアがすっきりとし、また、インテリアもID.4同様の高い質感を手に入れたのが特徴です。ヘッドアップディスプレイにARでルート案内が表示されたり、ウインカーレバーを操作するだけで自動で車線変更ができるようになるなど、ID.4よりも一歩進んでいるのも見どころのひとつです。
今回はドイツのミュンヘンからオーストリアを抜けて、スイスへと向かいましたが、ふだん乗っているSUVスタイルのID.4に比べてコンパクトで全高が低いID.3は、走行時の前後・左右の揺れがきっちりと抑え込まれていて、ID.4以上に安定感のある走りが楽しめるのが魅力です。DCCの有無を確認しわすれましたが、たぶん装着されているDCCのおかげもあって、21インチタイヤを装着するにもかかわらず、乗り心地も実に快適でした。
高速道路中心のドライブでは、120km/h前後で走行したときの電費が約6km/kWhほどで、一緒に走ったID.4 Proよりも約1km/kWh、良い電費を示しました。全高が低いID.3はそのぶん高速走行時の空気抵抗も低いので、こうした場面では有利なのでしょう。
日本では現在、ID.4しか選択できません。SUVスタイルが好きとか、より広い室内がほしいという人はID.4がお勧めですが、私のようにハッチバックを好み、より気持ちの良い走りを楽しみたいという人向けに、ID.3も選べるとうれしいですね！
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Japan, Volkswagen)