イギリスのフォルクスワーゲンレーシング レースプログラムを運営するとともに、フォルクスワーゲンおよびアウディ向けのチューニングパーツ「Racingline Performance Parts」を提供するRacingLine(レーシングライン)。
日本では、欧州車専門のプロショップ「Adenau(アデナゥ)」が「Racingline Japan(以下、レーシングライン・ジャパン)」の総輸入元を務めている。
2023年9月、実に4年振りとなるRacingLine社のディーラーカンファレンスが、イギリスのシルバーストーンサーキットで開催された。今回、レーシングライン・ジャパン社の高麗氏をはじめとするスタッフが現地に赴き、最新の情報を入手してきた。
前回の記事では、レーシングライン・ジャパンがディーラー カンファレンス 2023において、世界各国のディーラーのなかでも特別な「2023 CUSTOMER EXCELLENCE」を受賞したことをお伝えした。今回の記事では、カンファレンスにおいて発表された新製品を中心がメインとなる。
先日、レーシングライン・ジャパンの高麗氏を訪ね、ディーラーカンファレンスの詳細を取材した。
ディーラーカンファレンスは4年振りと伺いました
「新型コロナウイルスの影響で、RacingLine社主催のディーラーカンファレンス4年振りの開催となりました。
Golf8のデリバリーの遅延の影響もあり、関連するアイテムのリリースも遅れてしまいました。しかし、開発は進めていて、Golf8がのデリバリーが進みはじめたタイミングでアイテムをリリースする準備を進めていたようです」
この4年間はオンラインでのやり取りが中心だったのですね
「そうです。製品の確認事項やトラブルなどオンラインでやり取りをしてきたんですが、思うように伝わらないこともありました。
今回、久しぶりにディーラーカンファレンスに参加してみて、対面で話すからこと伝わることがあると実感しましたね。片道15時間かけて行った甲斐がありました(笑)」
今回のディーラーカンファレンスで発表された新製品について教えてください
今回、発表された新製品は以下となります。
●Boost Hose Kit/2. 5 TFSI EVO 2017-2020
●RacingLine. Cup Edition 18” Alloys.
●Hubcentric. Wheel Spacers.
●Sport Springs/Audi RS3 8V & 8Y
●Sport Springs/MQB SUV(T-ROC R、TIGUAN FWD/AWD)
●Anti-Roll Bars/MQB & MQB "EVO"
●Adjustable. Rear DropLinks/MQBE, MQB, A5 platform
●Rear Adjustable Camber & Toe Arms/precision set-up – ON THE CAR
●Higher Output Ignition Coils
●Oil Management/2.0 TSI EA888.4
●Intercooler/MQB ‘EVO’.
●Intercooler/Silicone Hoses.
●Intercooler/Boost Pipes.
●Intercooler/RS3 8V. 2 & 8Y.
●Intercooler/Polo GTI AW.
●Stage 2 Rear Discs/Single-piece grooved.
●Stage 3 Rear Discs/Two-piece grooved.
●RacingLine/2.5 TFSI dipstick.
●Air Suspension/Lowering Links.
今回、目玉ともいえるアイテムがあるそうですね
「個人で所有しているパソコンやスマートフォンでも設定可能なフラッシュです。
他社さんでは既にこの方式でリリースしているところもありますが、レーシングライン社ではまだテスト段階です。本国でリリースされてから日本に正式導入するまで時間がかかると思いますので、こちらのアイテムについては続報をお待ちください。
また、海外から"並行モノ"のフラッシュを購入しても、地域ごとにロックが掛かっていて使えないのでご注意ください」
今回のディーラーカンファレンスで感じたことがあるそうですね
「新製品の商品説明の際に感じたことは、レーシングライン社の“誠実さ”ですね。部署単位の考えや新しい取り組みなどを我々ディーラーにもきちんと伝えてくれるんです。
我々現場レベルの意見にも耳を傾けてくれますし、商品に反映されることもあります」
レーシングライン社代表のサム・ローチ氏からメッセージ(和訳)
「"シルバーストーン・サーキットで開催された2023年インターナショナル・ディーラー・カンファレンスに、インポーターやディーラーの皆様をお迎えできたことを大変誇りに思います。パンデミック(世界的大流行病)の影響で海外からのゲストの旅行が不可能になったため、前回のディーラーカンファレンスから4年ぶりの開催となりました。
レーシングラインは、ソフトウェアとハードウェアのチームから多くの重要なアップデートを発表し、今後数ヶ月の間にリリース予定の多くの新製品と、エキサイティングな長期的プロジェクトのプレビューを行いました。
ディーラーカンファレンスの形式的な部分だけでなく、アデナゥのような主要な輸入業者と非公式な対面でのミーティング時間を持てたことは、私たちにとって非常に有益なことです。
アデナゥの高麗さんには、日本の販売店やお客様にレーシングライン・ブランドをプロフェッショナルに広めた功績を称え、"2023カスタマー・エクセレンス "の栄誉ある賞を授与することができ、大変嬉しく思っています"」
まとめ:名実ともに「主治医」の存在が必要不可欠
いくらレーシングライン社の製品が優れていようとも、その部品を装着するのは各国のディーラーだ。日本では欧州車専門のプロショップ「Adenau(アデナゥ)」が、正規輸入元としてその任を託されている。
レーシングライン社の商品コンセプトを正しく理解し、ユーザーの大切な愛車に的確に装着する。そのためには豊富な知識とノウハウが不可欠だ。
フォルクスワーゲンおよびアウディ車の秘めたポテンシャルを引き出し、オーナーですら知らなかった愛車の新たな一面を知る。そしてやみくもにパワーを上げるのではなく、バランスを保ちながらチューニングを行い、セッティングを煮詰めていく。
こうなると、もはや個人レベルで手に負える領域ではない。名実ともに「主治医」の存在が必要不可欠となってくる。
内燃機関を心臓部に持つクルマのチューニングを存分に楽しめるのは果たしてあと何年なのか?誰にも見当はつかないが、多くのクルマ好きが漠然と、しかし確実に「そのとき」が近づいてきていることを本能的に「勘づいて」いることも事実だ。
信頼できるメーカーと商品。そしてこの商品を正確に愛車に装着し、ポテンシャルを発揮させる「主治医(プロショップ)」の存在。既に環境は充分すぎるほど整っている。残るは、オーナーの「愛車の秘めたポテンシャルを引き出し、存分に味わってみたい」という、心のリミッターを開放するだけだ。
問い合わせ
●RacingLine Performance日本国内正規輸入元:Adenau(アデナウ)
・住所:〒186-0011 東京都国立市谷保6-24-18
・TEL:042-519-5763
・FAX:042-519-5764
・営業時間:10:00〜20:00
・定休日:火曜日
・Racing Line Japan URL:https://racingline.tokyo/
※なお、新製品が常にアップデートされているので、最新情報は本社Webサイトを要チェック!
https://www.racingline.com/
(Image RacingLine / Photo & Text Toru Matsumura)