2023年9月3日、フォルクスワーゲンはミュンヘンショー(IAA)の前夜イベント「Volkswagen Group Night」において、電気自動車時代の「GTI」の方向性を示すコンセプトカー「ID.GTI Concept」を初公開した。

フォルクスワーゲンは、2023年3月に小型ハッチバックスタイルのEVである「ID.2all concept」を発表した。全長4050×全幅1812×全高1530mmと「Polo」サイズのコンパクトボディでありながら、EV専用設計の強みを生かすことで「Golf」並みの居住空間を確保する。

「ID.GTI Concept」は、ID.2all conceptをベースに、フォルクスワーゲンを象徴するスポーツモデルである「GTI」のエッセンスを盛り込んだスポーティかつエモーショナルな電気自動車だ。

ID.2all concept同様、ID.GTI Conceptも前輪駆動を採用するのは、これまでのエンジン車と同じ。ID.ファミリーでもスポーツモデルの伝統が受け継がれるのは喜ばしいことだ。

フォルクスワーゲンは、2025年にID.2allの市販版を市場に投入するとし、さらに2027年にはID.GTIの量産モデルを発売する

フォルクスワーゲン乗用車ブランドCEOのトーマス・シェーファー氏は、ID.GTI Conceptについてこう述べている。

運転の楽しさと日常走行での使いやすさを完璧に組み合わせたモデル。それが何十年にもわたってGTIの3文字が意味してきたものです。「ID. GTI Concept」では、GTIのDNAを電動化の時代に取り入れています。このモデルは、スポーティなアイコン モデルで、先進的なテクノロジーを採用し、親しみやすいクルマであることに変わりはありませんが、電気自動車となり、完全なコネクテッド機能を備え、非常にエモーショナルなクルマであるという点で、未来の世界に向けた新しい解釈が加えられています。ここでは、運転の楽しさとコネクティビティが完璧に調和しています。これは、ブランドとファンの方々にとって、GTIの新しい未来が開けていることを意味しています。「ID. GTI Concept」は、日常走行に適した電動化時代のフォルクスワーゲン スポーツカーであり、100%電気自動車、100%エモーショナルなモデルです。

フォルクスワーゲンでは、ミュンヘンショーの期間中、市内のオデオン広場にあるオープンスペースにて、このID.GTI Conceptをはじめ、「ID.4」、「ID.5」、「ID.7」といった電気自動車や、エンジン車の新型「Passat」や「Tiguan」の展示を行う予定だ。ミュンヘンショーの一般公開は9月5日から10日までの6日間。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)