2023年3月15日、フォルクスワーゲンは小型ハッチバックスタイルのEV「ID.2all concept」を公開した。2025年には市販版が登場する予定だ。

フォルクスワーゲンは、2026年までにID.ファミリーに新たに10モデルを投入し、2030年にはヨーロッパでのEV比率を80%まで高めようとしている。2023年3月に発表された「ID.3」のマイナーチェンジ版をはじめ、ロングホイールベースの「ID.Buzz」、「ID.7」、コンパクトSUV、さらには2万ユーロ(約280万円)以下のモデルが今後登場する予定で、ID.2allもその10モデルの1台である。

ID.2allは、全長4050×全幅1812×全高1530mmと「Polo」サイズのコンパクトボディでありながら、EV専用設計の強みを生かすことで「Golf」並みの居住空間を確保する。

フォルクスワーゲンがID.2allをデザインするにあたっては、フォルクスワーゲンの新しいデザインとして「安定感」「親しみやすさ」「興奮」という3つのテーマを掲げるとともに、Golfの特徴である太いCピラーをID.2allに採り入れた。

さらに、歴代Golfの流れを汲む親しみやすいフロントマスク、ダイナミックな走りを期待させる前後フェンダーのデザイン、シャープなショルダーラインなどが、新しい時代のコンパクトカーデザインを特徴づけている。

ID.2allのインテリアは、他のID.ファミリーと同様、水平基調のダッシュボードと、大小2つのディスプレイによるシンプルなデザインにまとめられている。その一方で、エアコンの温度設定やシートヒーター、オーディオの音量調整のために独立した物理スイッチを用意するなど、操作性の向上が図られたのは見逃せない。

ホイールベースはGolf並みの2600mmとし、余裕ある後席スペースを実現。ラゲッジスペースは、通常時でも440Lを確保する一方、6:4分割可倒式リヤシートを倒せば1330Lまでスペースを拡大可能だ。さらに、リヤシートの下には50Lの収納スペースが用意され、充電ケーブルなどの小物を収めておくのに便利だ。

ID.2allには、フォルクスワーゲングループのEV専用プラットフォーム「MEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス)」を進化させた「MEB Entry」を採用する。その特徴は、他のID.ファミリーがRR(後輪駆動)を採用するのに対して、ID.2allではGolfシリーズ同様、FF(前輪駆動)を採用していることだ。

搭載されるバッテリー量は明らかにされていないが、166kW(226ps)のモーターを搭載するこのコンセプトモデルでは、一充電走行距離は最大450kmを達成。0-100km/h加速は7秒未満、最高速は160kmに制限されている。

フォルクスワーゲンは、2025年にID.2allの市販版を市場に投入する予定で、価格は2万5000ユーロ(約350万円)以下に抑えるという。

これまでのGolfやPoloのユーザーにとっては、まさに待望のID.2all。“ID.Golf”ともいえる次世代コンパクトEVのデビューがいまから待ち遠しい。

(Text by Satoshi Ubukata)