純正ナビゲーションシステムが用意されないID.4にとって、スマートフォンのカーナビアプリは必須アイテム。いろいろ使って辿り着いたのは?

ID.4には純正ナビゲーションシステムの設定がありません。しかし、スマートフォンとの連携機能「App-Connect」を利用すれば、Appleの「CarPlay」やGoogleの「Android Auto」により、スマートフォンの地図アプリやカーナビアプリを純正インフォテインメントシステムで使うことができます。

私はAppleのiPhoneを使用しているので、CarPlayに対応しているスマートフォンアプリをいろいろ試してみました。

アプリ提供元利用料ダッシュボード高速道路リストメーター内の案内音声検索
マップApple無料×
Google マップGoogle無料××
Yahoo!カーナビYahoo!無料×○(1件)×
Yahoo! MAPYahoo!無料○(1件)×△(iPhone使用)
カーナビタイムNAVITIME1000円/月◎ (3件)×

これまで試したのが上の5つ。Appleの「マップ」やGoogleの「Google マップ」はクルマでの移動以外でも使っているという人は多いでしょう。

カーナビアプリを選ぶにあたって重視したのが「CarPlayダッシュボードへの対応」と「高速道路のリスト表示」です。CarPlayダッシュボードとはよく使うアプリを複数表示できるモードのことで、地図を表示させながらオーティオのコントロールができるのが便利です。

また、高速道路のリスト表示は、高速道路を走行しているときに、インターチェンジやSA/PAなどがリスト状に表示される機能。フォルクスワーゲンの最新の純正ナビではこれがなくて不便でした。一方、カーナビアプリでは高速道路のリスト表示に対応するものがいくつかありました。

それでは個別にその特徴を見ていきましょう。

マップ

iPhoneに標準で入っている地図アプリです。画面全体に表示できるのはもちろんですが、下の写真のようにCarPlayダッシュボードに対応しています。一方、高速道路のリスト表示には対応していません。

Appleのマップを利用すると、ルート案内時、メーター内に案内矢印を表示させることが可能です。これに対応しているのはAppleのマップだけ!

Google マップ

Appleのマップよりも人気が高そうなのがGoogle マップ。こちらもCarPlayダッシュボードに対応していますが、高速道路のリスト表示には非対応です。

Yahoo!カーナビ

高速道路のリスト表示に対応しているのがYahoo!カーナビ。ただし、表示されるリストは1件だけです。できれば3件はほしいところ。一方、CarPlayダッシュボードには非対応です。

Yahoo! MAP

つい最近、CarPlayに対応したのがYahoo! MAPです。AppleのマップやGoogle マップ同様、クルマ以外の移動もサポートしています。高速のリスト表示は1件。CarPlayダッシュボードにも対応しています。ただ、iPhone側のアプリを使わないと、音声による目的地検索ができないのは不満。今後のバージョンアップに期待したいところです。

カーナビタイム

CarPlayダッシュボードに対応し、高速のリスト表示も3件以上というカーナビアプリを探していて辿り着いたのが、このカーナビタイムです。CarPlayで利用するには月1000円の“プレミアムプラスコース”を選ぶ必要がありますが、望んでいた機能が搭載されているうえ、地図は見やすいし、アプリの細かい設定が可能だったりと、使い勝手の良さもうれしいところです。さらに、あらかじめ全地図データをスマホにダウンロードしておくことができるため、利用中のモバイル通信量をセーブできるのがうれしいところです。

高速道路のリスト表示で、急速充電器があるSA/PAに「EV」のアイコンが表示されるのは見逃せません。あと何キロで急速充電器のあるSA/PAに辿り着けるかがわかるのは、EVオーナーにとってはとても重要。これは助かります。

ということで、実際いろいろ使ってみて、最終的に落ち着いたのが有料のカーナビタイム。Golf8で使っていた純正ナビよりも見やすく、検索も音声で簡単。ストレスなく使えることを考えると、月1000円は十分に納得できる価格ではないでしょうか。

(Text by Satoshi Ubukata)