クラシックカーの価格高騰は、今に始まったことではない。アメリカではフォルクスワーゲン Golf GTIが9万ドル(約1,200万円)近くで落札された。

中古車の価値が上昇している。特に一部の人気クラシックカーは高騰するばかりだが、この1992年式の「VW Golf GTI」がブリング ア トレーラー(bringatrailer.com)で、87,000米ドル(約1,180万円)という金額で落札されたというから驚きだ。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

このクルマは「GTI」の2代目となる「Golf2 GTI」。売主によれば、このUSモデルは非常に良いコンディションとのこと。1.8リッターエンジンは新車時で最高出力139馬力、最高速度は208km/hと、古いコンパクトカーとしてはかなり速い。

走行距離わずか5万3,000マイル

テキサス州で販売されたこのコンパクトカーは、そのほとんどをオランダで過ごし、2022年に再び米国に戻ってきた個体である。レカロ製フロントシート、エアコン、フィリップス製カセットステレオ、15インチのBBS製ホイールなどが装備されている。

Golf2 GTIは、レカロフロントシートとエアコンが搭載され、良いコンディションを示している。

良いコンディションのようだが、良くも悪くも特段、例外的なものはないようだ。走行距離53,000マイル(85,295km)が正確であるならば、かなり少ない走行距離だと言える。

トルネードレッドの塗装も良好だが、説明によるとリヤナンバープレート周辺に目立つ傷があるようだ。また、左リヤホイールには縁石が接触した跡があるようだ。

Golf2 GTIの中古車は、本来比較的安価だ

2021年当時、ハガティ(Hagerty)は、ブリング ア トレーラー(bringatrailer.com)で、2万ドル(約275万円)以上で売れた第2世代の「GTI」はなかったとレポートしている。ボンネットの下にVR6のエンジンを搭載した「GTI」だけが高価で取引された程度だ。ここドイツでも、「Golf2 GTI」は現在2万9,000ユーロ(約420万円)以下で取引されており、このコンパクトカーが8万ユーロ(約1,160万円)を超えるのは非常に珍しいことなのだ。

この「GTI」が高値で落札されたのは、「GTI」ということ、そして30年選手の割に走行距離が少ないのが理由だろう。エンジンをはじめ、機関のコンディションが良く、インテリアのやれも少ないとなれば購入後にかかるコストも少なくて済む。「中古車は購入金額の2倍を覚悟しろ」とよく言うではないか。

(Text by Sebastian Friemel / Photos by bringatrailer.com)