■Golf GTI ■1/52 ■ Majorette(France)

この連載で時々登場する「食玩」、またの名を「玩菓」。要するにオマケ付きお菓子、なのですが、いつの頃からかどう見ても、お菓子付きオマケ、という様相を呈した主客転倒の商品が増えたように思います。狙いは” 大人買い”、でしょう。

食玩は、その歴史の中で「食品流通に乗せて玩具を売れる」ということで、おもちゃメーカーが参入してきたり、超人気フィギュアなどをオマケにすることでお菓子自体が爆売れしたりと、「win-win」の関係を築いてきたものと思われます。

こちらのミニカー付きガムは、カバヤの名で売られているものですが、重さ的にも、価格的にも、そしてブランドの立ち方からしてももはやマジョレットミニカーが主体に見えます。

令和の時代に“オマケにゴルフ1”がついてくるというのは、間違いなくオトナ狙い、ワタシ狙い。今回は取り上げませんが、同シリーズには、フォルクスワーゲン T3、ヴァナゴン(カラベル)もあったりして、この「マジョレットプライムモデル ヒストリックカーエディション 2」のターゲットはキッズじゃないぜ、という姿勢がアリアリとわかります。

肝心のミニカーは、と言えば、過去にあった同社製のGolf1とは別金型で作られています。全体のプロポーションは申し分なく、初代ゴルフのスタイリングをバランス良く再現。

フロントグリルの造形は少々モールドが甘いですが、ヘッドライトにはクリアパーツがハメ込まれるなど凝ったつくり。バンパーの造形はウレタンバンパーに見えるので、最初期型のGTIではない設定。

ちなみに、フロントには GTI エンブレムがないですが、リヤハッチには Golf GTI のタンポ印刷があります。

エンジンフードが開くのですが、開口部の都合か、パーティングラインが前寄りで、実車ではエンジンフード側にあるスリットがボディ側に残っているのはご愛嬌ですね。

この時代に、ご近所のスーパーで初代ゴルフのミニカーが数百円で買えるという事実に、ほのかな感動を覚えるのです。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます