フォルクスワーゲンは、1月26日、デザイン部門に新たな責任者が就任すると発表した。

2月1日付けで、ベントレーから移籍してフォルクスワーゲンのデザイン部門の責任者に就任するアンドレアス ミント氏

現在、ベントレー デザインのディレクターを務めているアンドレアス ミント氏が、2023年2月1日からヨゼフ カバンの後任としてフォルクスワーゲン ブランドのデザイン部門を統括する。カバン氏はフォルクスワーゲン クリエイティブ アート ディレクターに任命され、今後、フォルクスワーゲン ブランド技術開発担当取締役の直属となる。

ヨゼフ カバン氏は、新たな職責の一環として、ポツダムにあるフォルクスワーゲン グループ フューチャー センター ヨーロッパのチームと共に、フォルクスワーゲン ブランドの将来を見据えたモビリティ ソリューションの開発に携わるという。

前任者であるヨゼフ カバン氏(Jozef Kabaň)は、フォルクスワーゲン クリエイティブ アート ディレクターに就任することとなった

フォルクスワーゲン ブランド技術開発担当取締役カイ グリューニッツ(KaiGrünitz)のよると、「ヨゼフ カバンはフォルクスワーゲン ブランドのチーフ デザイナーとして、デザインとは、ただ単に個々のモデルのスタイルを決定するだけではないことを示し、そのデザイン言語を通して、フォルクスワーゲンのラインナップ全体に新たな特徴を与えています。今後、クリエイティブ アート ディレクターとして、ポツダムのフューチャー センターと緊密に連携する予定です。取締役会を代表して、ヨゼフ カバンに、チーフ デザイナーとしてのこれまでの功績に対し感謝したいと思います。同時に、フォルクスワーゲン グループで国際的に活躍し、経験豊富で尊敬されているデザイナーであるアンドレアス ミントをフォルクスワーゲン ブランドに迎え入れることができたことを嬉しく思います。アンドレアス ミントは、フォルクスワーゲンの変革における今後の決定的に重要な局面で、フォルクスワーゲンのデザイン言語を新たに形成することになります。一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と述べた。

左:ヨゼフ カバン氏、右:アンドレアス ミント氏

アンドレアス ミント氏は、ドイツのプフォルツハイム大学デザイン スクールを卒業後、1996年にフォルクスワーゲン グループでキャリアをスタートさせた。2014年までに、すでにフォルクスワーゲン ブランドでいくつかの役職に就いており、特に初代「Tiguan(ティグアン)」のデザインや7世代目「Golf(ゴルフ)」のエクステリア デザインなどを担当。

2014年から2021年には、AudiA1、Audie-tron GT 1 、AudiQ3、AudiQ8 2 をはじめとする、アウディのエクステリア デザインの再編成を指揮。2021年からは、ベントレー デザインのディレクターとして、昨年夏に発表されたベントレー「Batur(バトゥール)」で示された、ベントレーの新しいデザイン言語を定義する責務を負っていたという。

ヨゼフ カバン氏は、スロバキアのブラチスラバにあるアカデミー オブ ファインアーツ アンド デザインでプロダクトデザインおよび工業デザインを学び、1997年に英国ロンドンのロイヤル カレッジ オブ アートで自動車デザインの修士号を取得。2019年には、Dr.h.c(名誉博士)の称号を授与された。

カバン氏は、1993年にフォルクスワーゲン デザインチームでキャリアをスタートさせ、ブガッティ「Veyron(ヴェイロン)」などのデザインに携わった。2003年、エクステリア デザイン責任者としてアウディに移籍。その後、2008年から2017年までシュコダのデザイン責任者を務めた。フォルクスワーゲン グループ外の2つの自動車ブランドでチーフ デザイナーを3年間務めた後、2020年にチーフ デザイナーとしてフォルクスワーゲン ブランドに復帰した。

(Text Toru Matsumura)