■Golf GTI ■1/24 ■ IMAI(Japan)

なんだか色々すごいので、今回はこのプラモデルをご紹介します。初代ゴルフ、標準的な1/24スケールでメーカーはイマイ。そして、そこに「吠えんなよ」。

ほとんど昭和の文化史のようなパッケージですね。これ、多分1980年前後かと思うのですが、いわゆる「なめ猫」が一世を風靡(この言い方にも昭和感ある)してまして“ツッパリ”( これも死語?)風の学ランを着た猫ちゃん達が、鋭い眼光で「なめんなよ」と啖呵を切るキャラクターグッズ…下敷きとかでしたけど・・・があって、当時の小中学生をトリコにしたのです。

これはあくまでも私の推測に過ぎませんが、そんなブームにあやかって・・・ネコに対してワンコをモチーフにシャレで作ったのが この「吠えんなよ」シリーズではないか、と。

ちょっとパッケージを詳しくみてみましょう。

ゴルフの絵を見ると、スモールアイアンバンパーなので、GTI の中でも最初期のモデル。シャコタン、と書かれていますが、そこまでペタペタに落ちてはいない模様。

そして、全日本暴犬連盟公認、です。うむ。

さらには、御流歩(ゴルフ)の表記・・・完全に世露死苦、の世界です。

でもって、無免許運転禁止、の下に小さく「吠えんなよ免許証つき」とあります。至れり尽くせリです。その免許証は、パーツ袋の中に入ってまして、カラー印刷で一手間かけたオマケになってます。この中がまた凄い。

ドライバーのお名前 高倉犬・・・本籍・・・愛「地」県と微妙なアレンジはあれど名古屋市、と続き、最後は「犬死公園」・・・うう(哀)。まぁ、色々凝ってます。

肝心のゴルフは、各種エアロパーツが盛られて勇ましいルックス。

箱絵は左ハンドルですが、入ってるキットは右ハンの位置にワイパーの取り付け穴が開いてます。ダッシュボードも右ハン仕様。

絵と違う!みたいなことはスルーされてるところがおおらかでまた良いですね。この頃のプラモに必須のモーターライズ、ヘッドライト点灯可能なつくり。

しかし、なめんなよ、は周りに対して「なめるんじゃねぇぞ」だと思いますが、吠えんなよ、は、誰に対して言ってるんでしょう?

箱絵のドライバーはネコ娘のようなので、ネコ族からイヌ族へのメッセージなのでしょうか。謎深まる昭和の逸品でした。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます