Golf Variantに待望のTDI仕様が登場、その実力は?

2021年6月に日本上陸を果たした「Golf8」。その後、ステーションワゴンの「Variant」、スポーツモデルの「GTI」、ディーゼルエンジン仕様の「TDI」、ハイパフォーマンスモデルの「R」とバリエーションを拡大してきた。そして今回のGolf Variant TDIの追加により、ひとまずラインアップが完成した。なお、クロスオーバーのGolf Alltrackについては、現時点では日本導入は未定だという。

Golf Variant TDIの概要については上記のニュースをご一読いただくとして、今回試乗したのは上級グレードの「Golf Variant TDI Style」で、これに純正ナビゲーションの“Discover Proパッケージ”と、IQ.LIGHTやヘッドアップディスプレイ、パワーテールゲートを含む“テクノロジーパッケージ”が追加されている。車両本体価格は477万5000円。

搭載されるのは、EA888 evo TDIと呼ばれる最新の2L直噴ディーゼルターボエンジンで、最高出力110kW(150ps)/3000〜4000rpm、最大トルク360Nm(36.7kgm)/1600〜2750rpmの実力を誇る。

排ガス中のNOxを低減するために、SCR触媒コンバーターを2個直列に配置した“ツインドージング”システムを採用。AdBlueの使用量を従来同等としながら、NOxの排出量を最大80%削減した。組み合わせられるトランスミッションは7速DSGでFF(前輪駆動)のみの設定。WLTCモード燃費は19.0km/Lを達成する。

すでにハッチバックで経験済みのこのTDI、あらためて試乗した印象は実に静かでスムーズ。高速走行時はもちろんのこと、低速で加速する場面でもエンジンの振動やノイズはほとんど気にならないレベルに抑え込まれている。1.5 TSIエンジンよりもむしろ静かに思えるほどだ。

そのうえ、加速にはTDIエンジンならではの力強さと余裕があり、アクセルペダルの動きにも即座に反応するから、街中でも実に運転がしやすい。湿式多板クラッチを用いる7速DSGの動きもスムーズだ。

100km/h巡航時のエンジン回転数は7速で1500rpmほどで、走行時のエンジン音はほとんど耳に届かないレベルだ。追い越し加速にも余裕がある。

気になる燃費は、高速道路中心のドライブなら20km/Lを下回ることはなく、ACCを使って100km/h巡航した場合には27.0km/Lをマーク。ハッチバックに比べてホイールベースが長いVariantは、乗り心地がよりマイルドでフラット感も高く、高い直進安定性も手伝って、まさにロングドライブには打ってつけの一台なのだ。

さらに、ハッチバックよりもラゲッジスペースが広く、リヤクォーターウインドーがあることで斜め後方の視界も良好であるなど、実用性や運転のしやすさでもハッチバックを上回るVariantだけに、TDIとの組み合わせは、スポーツモデルを除く現行Golfシリーズでは一番の仕様といえるだろう。

なかでも「TDI Active Advance」はお勧めのグレードで、エントリーグレードの「TDI Active Basic」をベースに、IQ.LIGHT、ヘッドアップディスプレイ、純正ナビゲーションシステムDiscover Pro、パワーテールゲート、パークアシストなどを標準装着し、433万2000円というお買い得価格がとても魅力的。もし、これからGolf8を買うとしたら、私ならGolf Variant TDI Active Advanceを選ぶと思う。

(Text by Satoshi Ubukata)