eBayで「T3 bus」を買ってみる? この美しいヴィンテージ フォルクスワーゲン バスは、うれしいことにお手頃価格といえるかもしれない。eBayに出品されている1986年製のT3 Bus、ディーゼル“ブリ(Bulli)”は再塗装され、一見すると非常にきれいな印象を与える。状態さえ良ければ、価格も納得である。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

T3は非常に需要が高い。多くのキャンピングカーファンが、いまでも最後のリアエンジン搭載のバスを欲しがっており、それが価格を押し上げている。今回紹介する前オーナーの手によって改造されたT3でも、メンテナンスの行き届いたバスのオリジナルと同じような値段で取引されるようになって久しい。

T3に熱中している人は、あまり安直に恋に落ちない方がいい。この象徴的な箱には、錆という大敵がいるからだ。だから、ときどき錆びついた車が市場に出回る。現在eBayで、6,800ユーロ(約95万円)というリーズナブルな値段で出品されているT3 Busは、一見するととてもきれいな印象だ。しかし、実際の購入にあたっては、細心の注意を払って点検すべきなのは言うまでもない。

この広告から、提供されているT3がどのようなものであるかがわかる

広告によれば、販売中のバスは、1986年7月に初めて登録された。リヤに搭載された1.6Lディーゼルは50PS。状態は非常に良好とのことだ。このT3 Busは定期的に整備されており、ふつうに走行できる状態にあるとのことだ。加えて、2020年にオールペンされている。インテリアはオリジナルで、非常によく手入れされていると説明されている。ただし、シートは1脚だけ色違いである。

このクルマは、ベルリンとワルシャワのほぼ中間に位置するポーランドのポズナンにある。広告には、このバスには必要なEUの書類がすべて揃っていると書かれている。これで、ドイツでも問題なく登録できるはずだ。売り手は、遠距離への配送が可能であり、金額や諸費用の支払いは配送時に行うよう書いている。どうやらドイツ語が通じるようだ。

プライスタグには現在6,800ユーロ(約95万円)と書かれている。提供されているブリが本当に良いものであれば、それは公平な価格だろう。現在、ドイツでは、多くのT3が高金額で取引されているからだ。ただし、簡易装備のT3 busはこの限りではない。提供されるクルマは価格帯の中間に位置する。

T3を購入する前に知っておくべきこと

T3を購入する意向なら、試乗は必須だ。T3とサビは? 前述のとおり、車両のいかんにかかわらず、サビとは友達にはなれない。ボディワークの作業は時間とコストがかかるからである。そのためにも購入前によくコンデイションを知っておくと安心だ。

T3は、常に作業が必要なクルマだ。溶接ができる人なら問題ないが、それ以外の人は財布の中に蓄えが必要だ。T3を購入しようとする人は、購入前に、そのことをよく理解しておくのが一番だ。

リヤのディーゼルエンジンは50PSしかないため、速さはもちろん求めてはいけない。でも、T3ファンの多くはそのことをちゃんと理解している。

T3のエンジンのどれもが、燃費に関しては期待できない。ガソリンエンジンでは、リッターあたり8.3km以下の数値が当たり前になっている。それに対し、ディーゼルエンジンはより少ない燃料で満足でき、道路ではとても快適だ。そのため、スペインへは高速道路の右側車線を80km/hで移動すればいいのだが、いやでもそうすることになる。それがT3 Busというものだ。

(Text by Lars Hänsch-Petersen / Photos by ebay.de[milka9112013])

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