マイナーチェンジを機に日本でも発売された「T-Roc R」を試乗会でチェック！ その走りは？
T-Rocの最上級グレードとして日本導入が待たれていたT-Roc R。2022年7月のマイナーチェンジ版の発売にあわせて、ついに日本でもラインアップに加わった。
その概要は上記のニュースをご一読いただくとして、今回はプレス試乗会で短時間試乗することができた。借り出したのはRモデルらしいラピスブルーメタリックの一台。特徴的なボディカラーに、光り輝くデイタイムランニングライトが映える。
ラピスブルーメタリックを選んだ場合、室内には同色のダッシュパネルなどが施され、さらにブルーのステッチがアクセントのレザーシートやステアリングホイールなど、さまざまな演出で気分を高めてくれる。
日本で販売されるT-Rocとしては初めて4WDの4MOTIONが搭載され、オンロード用の「コンフォート」「スポーツ」「レース」、そして、滑りやすいコンディションでの走りをサポートする「スノー」「オフロード」を切り替えることができる「4MOTIONアクティブコントロール」が採用される。
一方、新型「Golf R」や「Tiguan R」に採用されるRパフォーマンス トルクベクタリング”機能付きのR専用4MOTIONは、このT-Roc Rには搭載されていない。
さっそく走り出すと、最高出力221kW（300ps）、最大トルク400Nmの2.0 TSIエンジンは、1200rpmほどの低回転から十分なトルクを発揮し、軽い動き出しを見せる。走り出してからも、アクセルペダルの動きに素速く反応し、ほとんどターボラグを感じさせない加速のおかげでとても扱いやすい。
アクセルペダルを大きく踏み込めば、4000rpm手前あたりから一段と勢いづき、6500rpmのレブリミットまで一気に吹け上がる感じは痛快そのもの。しかも、4MOTIONにより大トルクを4輪に分散して受け止めるので、加速時の挙動は落ち着き払っており、安心してアクセルペダルを踏み込めるのがうれしいところだ。
パワフルなエンジンに対応して、T-Roc Rには強化されたサスペンションと235/40R19タイヤが標準装着される。やや硬めの乗り心地だが、路面からのショックを直接伝えてくることはなく、予想に反して乗り心地が良好なことに驚かされる。このT-Roc RではアダプティブシャシーコントロールのDCCが標準で搭載され、その効果は絶大なのだ。後席の乗り心地も申し分なく、この日同時に試乗したT-Roc TDI Styleよりもむしろ快適なほどである。
高速走行時の安定感も抜群で、フラット感も上々。ワインディングロードやオフロードを試す機会はなかったが、T-Roc Rが速さと快適さを兼ね備えた魅力的なスポーツモデルであることが理解できた。そのうえT-Rocでは唯一4WDを採用するT-Roc Rは、一番のお勧めグレードではないだろか？
(Text & photos by Satoshi Ubukata)