【Auto Bild】走行距離30万km弱のGolf Country、そのお値段は？

「Golf Country」は、1990年と1991年にわずか7,735台だけが生産されたクロスオーバーモデル。その希少なGolf Countryが、eBayで売りに出されている。その値段は？　お得感は!?

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

このGolfは、まさにSUV時代を先取りしていたのだ。1989年にフォルクスワーゲンがGolf2の車高と着座位置を高くするコンセプトモデルを発表したとき、世界はまだSUVを受け入れる準備はできていなかった。それでも、Golf Countryは1990年に生産が開始されたが、1991年12月、わずか7,735台を生産しただけで生産が終了してしまった（日本には110台が正式輸入され販売された）。

一方、現在では、この全地形対応型のGolf2はかなりのファンがおり、低価格で購入できるのはごくまれだ。eBayでは現在、走行距離30万km弱のGolf Countryが出品されている。

この緑のGolf Countryは、1990年に製造され、現在約29万3000kmを走行している。走行距離が多いにもかかわらず、このSUVのパイオニアは写真で見る限り、なかなか手入れの行き届いた印象を与える。

売主の説明によると、Golf Countryには現在はほとんど乗っていないそうだ。車高が高いGolf2は、オフロードや冬のコンディションに対応しやすいにもかかわらず、塩や雪を恐れて、5月から10月の間しかクルマを運転しなかったという。

とはいえ、32年前の30万km弱のクルマにはやはりちょっとした問題があり、売り手はそれを積極的に公開している。ゴルフは、小さな塗装の欠陥や、摩耗の兆候に加えて、燃料フィラーネックに錆の斑点があり、フロントガラスのフレームには塗装の欠けもある。

メインテナンスはバッチリ！

しかし、それ以上に重要なのはこれまでメインテナンスがしっかり行われてきたということだ。売主は、Golf Countryは定期的に整備され、近年、多くの部品が交換されたと書いている。それらの中には、ウォーターポンプやタイミングベルト、ディストリビューター、スパークプラグ、ドライブシャフトブーツ、ハブベアリング、スタビライザーなどが含まれている。さらに、ブレーキも新品だ。

地上高18cmのコンパクトSUV

Golf Countryは、シュタイアー ダイムラー プフ社製である。組み立て済みの「Golf GL Syncro」がグラーツに届けられ、Golf Countryに改造された。チューブラーフレームの採用により、フォルクスワーゲンの車高を12cm上げ、地上高は約18cm（ノーマルGolf2比＋6.3cm）となっている。

アンダーカバー、グリルバー、スペアホイールホルダー、新しいバンパーやサスペンションなど、合計438点もの特別な部品がGolf Countryに使用されたのだった。

今回販売されているのは、ほぼオリジナルの状態で、98psの1.8L 4気筒エンジンもそのままの状態で残っている個体だ。5本スポークのホイールには、がっしりとしたオフロードタイヤが装着され、リヤウインドーにはスモーク加工が施され、インテリアにはボディ同色の表皮を持つスポーツシートが設置されている。売主によると、このGolfは2023年4月まで車検がある。

この記事を執筆している時点で、この型破りなGolf2にはまだ入札がない。出品者は9,999ユーロ（約140万円）から入札するように求めている。せっかちな人は、13,999ユーロ（約200万円）でGolf Countryをすぐに購入することも可能だ。しかし、有名な中古車取引サイトでは、他のGolf Countryが10,250ユーロ（約145万円）で提供されているので、そちらも一見の価値がある。

(Text by Jan Götze / Photos by icefire860[Ebay], Volkswagen)