マイナーチェンジした「Polo」を報道試乗会でチェック。その仕上がりは?
現行の6代目Poloの日本上陸から約4年、マイナーチェンジ版のPoloが日本でも発売になった。
マイナーチェンジの概要は上の記事をご一読いただくとして、今回試乗したのは装備充実の上級グレードのひとつである「Polo TSI Style」と、スポーティなデザインが特徴の「Polo TSI R-Line」の2台だ。
Polo TSI StyleとPolo TSI R-Lineでは一部デザインが異なることに加えて、タイヤサイズが前者が195/55R16であるのに対し、後者は1インチアップの215/45R17を採用。また、Polo TSI R-Lineには専用スポーツサスペンションが搭載され、ESCによるトルクベクタリング機構のXDSも利用可能だ。
まずはPolo TSI Styleに乗り込み、さっそく走り出すと、マイナーチェンジ前の1.0 TSIに比べて、3気筒エンジン特有のノイズや振動が抑えられ、とても洗練された印象。エンジンの特性も、アクセルペダルの操作に対して低回転から反応が素早くなり、発生するトルクも少し厚みを増したように思える。
一方、大きな加速が必要な場面では、アクセルペダルを深く踏み込むことにより、2500rpm付近から力強さを増し、高回転までその勢いが続く。
Polo TSI Styleの乗り心地は、一般道では少し硬めながらも快適で、動きも落ち着いている。これに対して、Polo TSI R-Lineはより硬めの乗り心地を示すととともに、路面によってショックを伝えてくることがある。それと引き換えに、コーナリング時の軽快さはPolo TSI Styleよりも1枚上で、スポーティな走りが好みならPolo TSI R-Lineを選ぶ価値は十分にある。
ところで、Polo TSI StyleとPolo TSI R-Lineには、同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”が標準で装着されている。Travel Assistは、アダプティブクルーズコントロールの“ACC”とLane Assistを組み合わせることで全速度域で速度調整と車間調整、レーンキープを行う半自動運転機能だ。
ステアリングホイールには“Travel Assistボタン”が設置され、ACCがオンになっていれば、Lane Assistの状態にかかわらず、このボタンひとつでTravel Assistが開始できるので、とても便利だ。
ただ、Poloの場合、パーキングブレーキが手動式のため、ACCやTravel Assist使用時に先行車が停止し、それにあわせて自車が停止した場合、停止状態を長く維持できないのが残念なところ。一時停止の時間が長い渋滞ではブレーキペダルを踏む必要があるのだ。
例によって、今回の試乗では新しい1.0 TSIエンジンを搭載したPoloの燃費はチェックできなかったが、Golf8に積まれる1.0 TSIのデチューン版であることから低燃費が期待できる。そのあたりは、あらためて試乗車を借りだし、いつもの“燃費調査”を実施したいと思う。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Volkswagen Japan)