ゴルフ8シリーズにTDI、すなわち直噴ディーゼルターボエンジンが追加になった。一足先にメディア試乗会でその実力をチェックした。

先代のゴルフ7のモデルサイクル途中に2L直噴ディーゼルターボのゴルフTDIが追加され、その後、ゴルフ/ゴルフヴァリアントの約3割をTDIが占めたという。そんな人気モデルが新型ゴルフに追加された。ハッチバックに続き、後日ヴァリアントにもTDI搭載モデルが登場する予定で、さらに「ゴルフGTI」や「ゴルフR」「ゴルフRヴァリアント」が出揃う2022年はゴルフ8にとって飛躍の年になりそうだ。

ゴルフTDIの概要は上記のニュースをご一読いただくとして、試乗したのは「ゴルフTDI Active Advance」。エントリーグレードのTDI Active Basicをベースに、IQ.LIGHT、ヘッドアップディスプレイ、純正ナビゲーションシステムDiscover Pro、パークアシストなどを標準装着した装備充実モデルで、この内容で400万円を切るという価格はとても魅力的だ。

さっそく走らせると、エンジンノイズや振動が大幅に改善されていることにすぐに気づく。ゴルフ7時代も、ひと昔前のディーゼルエンジンに比べれば段違いに洗練されていたが、ライバルに比べるとややエンジンノイズが気になることがあった。

ところが新型ではエンジンノイズや振動がきっちりと抑え込まれ、低速での加速でもほとんど気にならないレベルに。もちろん加速はディーゼルエンジンならではの余裕があり、1500rpmを超えたあたりから豊かなトルクを発揮。アクセルペダルを踏み込むとスムーズかつ力強く回転を上げていくのだ。

100km/h、7速のエンジン回転数は1500rpmほどで、高速道路を巡航する際の静粛性は実に高く、追い越し加速にも余裕がある。それだけに、1.0 eTSI/1.5 eTSIエンジン搭載モデル以上に、快適なロングドライブが楽しめそうだ。

今回はメディア試乗会でのドライブだったため、燃費のチェックはできなかったが、オンボードコンピューターの数字を見るかぎりは低燃費が期待できそうだ。後日、燃費チェックをする予定なので、どんな数字が出るか楽しみである。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, Kinari Arashima)