この7月末に発売された新型「ゴルフ ヴァリアント」のなかから、1L直列3気筒ターボと48Vマイルドハイブリッドを積む「ゴルフ ヴァリアントeTSI Active」をチェックする。

写真はイメージ

新型ゴルフとゴルフ ヴァリアントには、1L直列3気筒ターボを積む「eTSI Active Basic」「eTSI Active」と、1.5L直列4気筒ターボを採用する「eTSI Style」「eTSI R-Line」が用意されているのはご存じのとおり。

このうち、1.5Lの「eTSI Styleと「eTSI R-Line」の試乗記はすでに8speed.netで紹介ずみだ。最後に採りあげるのが、1Lエンジンを積むこの「eTSI Active」である。

ステーションワゴンとしての使い勝手は上記のレポートをご一読いただくとして、ここではeTSI Activeの走りを報告する。

すでにハッチバックのゴルフ eTSI Activeでその実力の高さを経験済みの1Lエンジンだが、50kg車重が重いゴルフ ヴァリアントでも活発な印象に変わりはない。

クルマは動き出しから軽やかで、アクセルペダルの操作に対するエンジンの反応も良好。さらに、3気筒エンジン特有のノイズや振動もしっかりと抑え込まれており、「これが1Lの3気筒?」と驚くほどだ。もちろん、これには48Vマイルドハイブリッドシステムを構成するスターター・ジェネレータモーターがエンジンをアシストしていることも貢献しており、低回転でも十分なトルクを発揮することで、一般道では十分なパフォーマンスを示している。

大きな加速を必要とする場面でアクセルペダルを深く踏み込めば、2500rpmあたりから力強さを増し、その勢いは6000rpmまで続く。小排気量エンジンだけに加速にパンチこそないが、日本の速度域ではストレスを感じずにすむのがうれしいところだ。

205/55R16インチタイヤが装着されるゴルフ ヴァリアントeTSI Activeは、乗り心地がマイルドでロードノイズも気にならないレベル。走行中はゴルフらしい落ち着いた挙動を示し、高速道路のフラットさもまずまずだ。

ハッチバックでは、路面により多少跳ねるような挙動が気になったが、ヴァリアントではその動きも軽減されていて、実に快適なドライブを楽しむことができた。実際、今回は東京から仙台を往復したが、アダプティブクルーズコントロール“ACC”を活用したこともあって、さほど疲労せずにすんだのだ。

ちなみに、試乗時の燃費は、高速道路を約100km/hで巡航したときが22.1km/L、少しペースを落として約80km/hで走ったときが27.0km/Lとなった。一般道を含めた総平均は19.5km/hとなり、1.5エンジン搭載グレード同様、優れた低燃費性能を見せてくれた。

ゴルフ ヴァリアントeTSI Active Basicとともにエントリーグレードを担うゴルフ ヴァリアントeTSI Activeだが、ゴルフ8世代のメリットを十分堪能できる仕上がりといえるだろう。

(Text by Satoshi Ubukata)