7月のとある週末、仕事で宮城に行くことに。距離は片道約350kmありましたが、時間がかかるのを承知でeゴルフで向かいました。そこで思わぬ落とし穴が……。

正直なところ、電気自動車で遠出するのはオススメしません。途中の充電で余分な時間を取られますし、急速充電器が空いてないと空くまで待たなければなりません。時間をかければいくらでも遠くに行くことはできますが、それを含めて楽しむという覚悟がないなら、ほかの方法を選んだほうが良いと思います。そもそも、電気自動車って長距離移動向きではありませんから。

ですので、eゴルフで遠出するのを自慢するつもりはまったくなく、単なる物好きの遊びと思ってください(笑)

それはさておき、この日はバッテリー残量約80%(“約”というのはバッテリー残量が何%なのか、メーターで確認できないため)、走行可能距離180kmから走り始めました。ほとんど高速道路を使い、SA/PAで30分の急速充電を2回すれば、目的地に到着できる予想です。

電気自動車の場合、高速道路で速度を上げれば上げるほど、“電費”は悪くなります。ただ、あまり速度を落とすと到着まで時間がかかりますので、80km/h前後で巡航するのが電費と時間の妥協点でしょうか。

走行モードはいつもどおり「ノーマル」を選択。「エコ」を選ぶと、夏の暑い日や冬の寒い日にエアコンの効きが足りないので、ふだんから私は「ノーマル」で走っています。

まずは約130kmを走って1回目の充電。40kWの急速充電器を30分使い、16.8kWhチャージ。バッテリー残量は40%弱から90%弱に回復し、走行可能距離は209kmになりました。

充電後すぐに出発し、約160km走ったところで2回目の充電。ここで異変が起こりました。40kWの急速充電器で30分間チャージしたにもかかわらず、13.2kWhしか入らず、走行可能距離も147kmとやや心許ない状況です。

このまま走って目的地に到着するとそのあとが苦しくなりそうなので、高速道路を降りる前にもう一度急速充電を行いましたが、40kWhの急速充電器であるにもかかわらず充電量はわずか9.8kWh。急速充電を重ねるごとに、充電量が減っていくのでした。

原因は定かではありませんが、この日は気温が30℃を超えており、高速走行と度重なる急速充電で、バッテリーが熱を持ってしまい、充電しにくい状況になってしまったのではないかと想像できます。そういう話を「日産リーフ」のオーナーさんから聞いたことがありますが、eゴルフでもそうなってしまうとは……。

ちなみに、宮城からの帰りは夕方から夜の比較的涼しい時間帯を走ったからか、充電量は1回目が16.7kWh、バッテリー残量が多い状態からの2回目が13.9kWh、同3回目が12.0kWhと、往路に比べると受入量が増えています。

電気自動車は、寒さだけでなく、暑さにも用心しなければいけないんですね……。

(Text by Satoshi Ubukata)