■Pointer ■Altaya (Spain) ■1/43

「おや、どちら様?」といいたくなるようなフォルクスワーゲン。

ときどき当館に流れ着く「こんな車種もあるんだ」系ミニカー。ファン歴長いつもりで、まだまだ知らない車種もあるものですが、 これ、ワーゲン乗りでなくフォード乗りの人はピンとくるのかも知れません。

実態はポインターという車種で、フォルクスワーゲン・ブラジルが フォードのエスコートをベースに作ったクルマです。

1990年代、提携関係にあったフォルクスワーゲンとフォードは 共同開発も実施し、7人乗りミニバンを、ワーゲンからはシャラン、フォードからはギャラクシーとして販売したりもしていました。

このポインターもそんな状況の中で生まれたのでしょう。

販売面では、大した苦労もなく(失礼)、車両ラインナップが拡充するのだから、メーカー的にはwin winだったのでしょうか。

でも、エスコートと見比べると、さすがにバッチ替えだけではなく、 ドア以外のボディパネルはオリジナルのものにも見えます。

ミニカー化の対象車種としては、あまりに渋い選択。

スペインのメーカーのようで、パッケージのANOS 80/90という 表記から推測するに、1980、90年代のクルマをシリーズで 出したうちの一台のようです。

実車版ポインターのラインナップにはGTIもあったようで、 ミニカー化するならそっちを選びそうなものですが、 この担当者は「ベースモデルこそフォルクスワーゲン」と いう信念を持っていたかどうか知りませんが、 シブシブなGLiに白羽の矢を立て、世に送り出したのでした。

南米フォルクスワーゲンの世界、いよいよ奥が深いです。

das kleine Golfgang(ダス クライネゴルフガング)は、ゴルフのミニカー、"Golf玩具"にまつわるコラム。1974年に実車が誕生して以来、古今東西でつくられてきたゴルフのミニカーたちの小さなボディに垣間見えるストーリーを、小さく紹介しています。101回目以降、ゴルフ以外の水冷VWも紹介していきます。